一時閑散も…90年代「裏原ブーム」の震源地は今どうなっている?
新たなクリエイターを「ウラハラ」から輩出したい
――先ほど「ウラハラプロジェクト」のお話がありましたが、発足当初とは状況が大きく変化した中で、現在はどんな活動をしているのですか。
イベントを中心に活動している。2024年3月に開催した「ウラハラニュービンテージフェス」ではキャットストリートにレッドカーペットを敷いてランウェイを実施したり、5月の連休期間には「ウラハラフルギマーケット」という古着のイベントを開催した。渋谷のコミュニティFMでラジオ番組を持ったり、オリジナルグッズの制作・販売もしている。
ただ、いずれはかつての「裏原ブーム」のように、新たなクリエイターを輩出するような仕掛けをしていきたい。
90年代には藤原ヒロシさん、NIGOさん、高橋盾さんなどのクリエイターが仕掛け人となって「グッドイナフ」「ア ベイシング エイプ」「アンダーカバー」など個性的なストリートブランドがこの裏原宿から生まれ、「メイドインワールド」「プロペラ」などのセレクトショップが軒を連ねていた。私自身もアメカジのセレクトショップ「エアロポステール」を30年以上にわたり運営していたし、老舗セレクトショップ「原宿キャシディ」は今なお健在だ。
ただ、それ以降は新しいサブカルチャーが育っていない。「ウラハラプロジェクト」ではせっかく100名近くのクリエイターに集まってもらったので、今のZ世代に向けた新たな発信を仕掛けていきたいと思っている。