CO2排出量実質ゼロへ! イオンアグリがめざす持続可能な農業

ライター:兵藤 雄之
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国内初の「新GGNラベル」農産物を販売!

 そのほかの柱としては「直営農場の化学農薬、化学肥料の削減」「ゼロ・カーボンの取り組み」「プロダクション・ロスのゼロ化」「品質管理・人権尊重のさらなる追求」が掲げられている。

 このうち、品質管理・人権尊重のさらなる追求については、すでに大きな取り組みが動いている。同社の直営農場では、食品の安全性、環境保護、動植物福祉に配慮した持続的な生産活動を実践する農業生産の国際基準「GLOBAL G.A.P.認証」を取得し、「GLOBAL G.A.P.Numberラベル」(以下、GGNラベル)付きの商品を供給してきた。GGNラベルは、GLOBAL G.A.P.認証を受けた、「どこで」「だれが」「どのように」作ったかがわかる、責任ある農産物につけられる国際認証ラベルだ。

 さらに2022年度には、労働者福祉(GRASP= GLOBAL G.A.P. Risk Assessment on Social Practice)に関する基準をクリアし、日本国内で初めて、責任ある農業を可視化するクロスカテゴリの認証「新GGNラベル」を付けた農産物の販売が可能になった。GGNのWebサイト(https://ggn.org/)に認証番号を入力すると、これまでのGGNラベル同様、世界のどこで誰が作ったものかを知ることができる。

 4月26日からは、新GGNラベル付きの農産物4品(「まるまる赤トマト」、ほうれんそう、こまつな、きゅうり)が、関東圏の「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約200店舗で販売が開始された(近畿、中四国、九州エリアのイオングループ店舗でも順次拡大予定)。「現時点では4品目だが、認証待ちになっている商品もあり、品目は順次、広げていく」(福永社長)

GGNのサイト(https://ggn.org/)にイオンアグリの認証番号を入力すると、イオンアグリの情報を確認することができる。

 「ゼロ・カーボンの取り組み」では、二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロの農業用ハウスの取り組みを開始している。

 そのために新設したイチゴの農業用のハウスでは、ハウス内の採光性と温度ムラを改善、日射比例式給液装置を用いて灌水施肥の最適化を図り、より低コストで生産性の高い栽培体系を構築した。さらに暖房機から発生するCO2を回収し貯蔵する「炭酸ガス貯留システム」を設置し、貯留したCO2をイチゴの株元に局所施用して光合成を促進させることができる。

新GGNラベル付き販売される農産物4品

 こうした技術を組み合わせ、最適化を図ることで、従来の60%のCO2削減が可能になる。残り40%の削減については、ヒートポンプの熱交換効率の向上や、太陽光発電など再生可能エネルギーの自給自足の取り組みを並行して進めていくという。

 同社では、島根安来農場と三重いなべ農場に、それぞれ約65アール、約45アール、合計1.1ヘクタールのハウスを新設。将来的には、両農場で、年間約100トンのイチゴを生産する見込みで、東海、近畿、中四国エリアのイオングループ店舗に供給する予定だ。

 イオンアグリ創造は、こうした施策を通じ、今後も自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展の両立をめざし、自然・生態系・社会と調和のとれた持続可能な農産物の調達に努めていく。

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