第2回 惣菜の売上は伸びるも食機会数(客数)は伸びていない
他業態のコア客層をターゲットに据える
ここまでをまとめると、各業態における喫食者層は、以下のような特徴があります。
〇コンビニ→コア客層:男性15-59才、会社員。 強み:若い男性。
〇弁当・総菜専門店→コア客層:男性40-59才、会社員、既婚者。 強み:子供、シニア。
〇スーパー→コア客層:男女40-59才。 強み:子供、シニア、専業主婦。
それぞれの業態におけるターゲット客層が上記の客層となります。品ぞろえやキャンペーンを策定する際には、この客層をターゲットにすることを念頭に置くべきです。もし、貴社の客層がこれと全く異なる場合、とりこぼしている客層があると考えていいでしょう。市場全体と比較することで、自社の取りこぼしやビジネスチャンスが見えてくるはずです。
また、他業態からなんとか客を奪えないかと考えている企業は、その競合業態のコア客層や強みの客層をターゲットにすえるとよいでしょう。たとえば、スーパーから客を奪いたいコンビニは、コンビニでは弱い主婦、シニア、子供のほか、コンビニでも強い男性40-59才をターゲットにした戦略を考える、というわけです。
今回は、ターゲット客層がだれになるのかを見てみましたが、「じゃあ、どうやってこの人たちに響く商品やマーケティング戦略を考えるの?」という疑問が出てくると思います。次回3回目では、中食がこのターゲット層の人たちにどのようなシーンで使われているのかを分析することで、その問いのヒントを見つけていきたいと思います。
1回目にも書きましたが、社会の変化やターゲット顧客をまずは把握してこそ、ニーズに合った商品を出せるわけで、売上を上げることにつながります。昔ながらの“勘”と自社の売上実績に頼るマーケティングの時代は終わりました。今は、市場全体と社会の動向把握に注力していくことが、マーケティングの基本中の基本と言えるでしょう。
プロフィール
エヌピーディー・ジャパン株式会社
NPDはアメリカをはじめ世界23ヶ国で消費者パネル調査および小売店パネル調査を展開する調査・市場規模測定のリーディング企業。エヌピーディー・ジャパンは外食・中食(業務用食品)市場、 スポーツシューズ・アパレル市場に関する最新動向やインサイトを提供している。
CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービス。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能。
URL: http://www.npdjapan.com/service/food.html
エヌピーディー・ジャパン株式会社
TEL: 03-5798-7663
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