細部にまでこだわるモノづくり
ワークウエアの専門メーカー、コーコス信岡が展開するブランド「グラディエーター」。おしゃれでカジュアルな見た目ながら、高い機能性、耐久性を備えるのが人気の理由で、今も着実に新たなファンを獲得する。2019年秋冬商戦に向けても魅力的な商品を投入する。
今年10月に発売するのは、ジャケット、パンツがセットになった「GA -3910」シリーズである。
色と風合いに深みを出した独自開発の生地「ストレッチコードピケ」に、ウオッシュ加工を加えることで質感を付加。スタイリッシュであるばかりでなく、動きやすく、タフな作業に耐え得るワークウエアのDNAをしっかり備えている。カラーバリエーションは、「サンド」「ネイビー」「アッシュ」「アーミー」の4種類をラインアップする。
商品開発のきっかけは、ユーザーからの強い要望だという。
「おかげさまで『グラディエーター』シリーズの売上は毎年、対前年比20%増で伸長しています。その中、上下で揃ったワークスーツを求める声が多く聞かれるようになり、その要望に応えようと考えました」。こう話すのは、企画室の林威喜次長である。
カラーによりファスナーの色を変えるなど、細部にまでこだわったモノづくりにより、さらなる支持獲得をめざす考えだ。
予想を大きく上回る反響
一方、新たなマーケットの開拓にもチャレンジしている。
19年春夏商戦に向け、コーコス信岡は「グラディエーター」の新シリーズとなる「ニオイクリアEX」を発売した。「消臭」をキーワードに、汗臭、加齢臭対策を施した機能性ウエアである。
一般に汗臭、加齢臭の原因は、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールという4つの成分といわれる。「ニオイクリアEX」は、日本製の特殊な消臭糸を編み込むことでそれらの成分を吸着、分解する。その効果は半永久的に持続する。
発売後、予想を大きく上回る反響があった。とくに1度、買ったユーザーが、その後、追加購入するケースが多いという。「実感消臭」がコンセプトの商品が、徐々にファンを増やしている。
現在、コンプレッションウエアはじめ数アイテムがあるが、同社では今後、靴下や肌着などの新商品も発売、品揃えを充実。林次長は「『消臭』へのニーズは考えていたより大きく、通年商材になる可能性もあるとみている。新たなマーケットの開拓をめざし、認知度向上を図っていきたい」と意気込みを見せる。
インタビュー:「差別化図れる商品で貢献したい」喜多村氏
当社では、商品を開発するに当たり、ユーザー、量販店のバイヤーさまの声を重視しています。商談時のコミュニケーションを通じ、店舗での情報、また要望を把握し、新商品や既存品のリニューアルなどに反映させる方針です。
その中、近年、着実に拡大しているのはカジュアルで、おしゃれなワークウエアへのニーズ。20~30歳代の比較的若い年齢層を中心に、年々、引き合いが強まっています。当社ではそういった要望に応えるため、魅力的な商品の開発を続けています。
常々、当社が意識しているのは、ワークウエア専門メーカーとしてのモノづくり。ファッション性だけでなく、プロのタフな現場で使用できる耐久性、また作業しやすく、高い機能性を備えた、当社ならではの独自商品にこだわっています。
年々、ホームセンター(HC)業界の競争は激化する傾向にあります。どの企業にとっても低価格商材は重要ですが、当社ではあくまで差別化につながる特徴のある商品で、より多くのファンを獲得したいと思います。
魅力的な商品のラインアップを強化する一方、HC企業さまの売場をサポートする活動にも取り組んでいます。商品のよさを伝えるPOPや什器を提供するほか、効果的な売場づくりの提案などにも取り組んでいます。
2019年秋冬商戦に向け、当社がテーマに掲げているのは「アップデート」。既成概念にとらわれず、新しい分野にも積極的にチャレンジします。差別化できる商品群を拡充、HC企業さまに貢献したいと考えています。