売上高伸長率10%増のトップバリュ 年商1兆円めざすリブランディングの中身
飲食店の味をめざした
スープを11種類発売
では、リブランディングしたトップバリュではどのような商品を販売するのか。
3月16日、新たな方向性を具現化した新商品として「トップバリュ もぐもぐ味わうスープ」シリーズを発売した。
「徒歩0分のレストラン」を掲げ、飲食店に負けないおいしさを追求し、野菜、肉、海鮮など、ゴロゴロと具材が入った、食べ応えあるのスープだ。価格帯は税抜298円~498円と、これまでのトップバリュと比べて高い。
メニューのラインアップは全部で11種類。クラムチャウダーやミネストローネといった代表的なメニューだけでなく、トムヤムクン、ボルシチ、タッカンマリなど、さまざまな国のスープも揃える。個々の価値によって選ぶ選択肢を提供するほか、昨今増加する単身世帯にも利便性の高い商品として開発している。
先行的にテスト販売した店舗では、既存のトップバリュのスープと比較して「こだわり(洗練上質)」セグメントに属する顧客に支持されているという。
「バーリアル」は
味を向上し30円値上げ
もう1つ同日されたのが「トップバリュべストプライス バーリアルグラン」だ。
トップバリュが10年に発売して大ヒット商品となった新ジャンルビール「バーリアル」を、今回を機に、東北産希少ホップを使った発泡酒として販売する。
ベーシックの「バーリアルグラン」に、「リッチテイスト」「糖質50%オフ」を含んだ計3種類展開で、1本・350ml税抜108円だ。これまで1本78円だったため、実質は値上げとなる。「既存の商品はかねてより後味に雑味があるというお声をいただており、今回のリニューアルで大きく味わいが向上した。モニターさまからの評価からも十分に戦っていける価格だと考えている」と述べている。
「ベストプライス」は、22年度のトップバリュ全体の売上高構成比で48%と、メインの「トップバリュ」(45%)より高く、売上高対前年度伸長率も114%と、3シリーズの中でも最も高かった。消費者の財布が固くなるなか、この低価格訴求シリーズでもこれまで以上に「価値」を訴求していく考えだ。