売上が前年から44億円増! 森永製菓「inゼリー」V字回復のカギは「女性」が握っていた?
コロナ禍での意外な「追い風」もありV字回復
その女性層が、代理購買でなく「自分のため」にinゼリーを買ってくれれば、市場をもっと開拓できるはず――そこから、女性向けの新商品の開発が急ピッチで進められた。
2021年3月には「inゼリー フルーツ食感」シリーズ(もも・マンゴー)を発売。食物繊維を5グラム配合し、90キロカロリー以下に抑えることで「罪悪感の少ないヘルシーな間食」を訴求する。
ねらいどおり女性の間食ニーズにマッチし、翌2022年3月には同シリーズの「梨」をリリースするなど好調が続いている。前述の「inゼリークリア」シリーズも、この「女性ニーズの開拓」の流れを受けて開発されたものだ。
一方で、世間の外出自粛ムードも徐々に緩和され、ビジネスパーソンのオフィス通勤への回帰も見られる中で、一時は落ち込んでいた男性層の需要も復調。さらに、コロナ禍での意外な需要も後押しした。
「ワクチンを打った後の副反応による、発熱や食欲減退を想定した備蓄ニーズも高まったとみられる」(水谷氏)
女性ニーズの新規開拓。男性ニーズの復調。コロナ禍での追い風。これらが相まって、前述した前年から44億円増というV字回復につながったようだ。