試食に外食体験… 「味への不安」課題のプラントベースフード、市場拡大に何が必要?
植物由来の原材料を使用したプラントベースフード。「プラントベースシリーズ」を展開するカゴメが、20~60代の男女2112名を対象に「プラントベースフード」の認知度やイメージについて調査をした。今後、さらなる認知拡大のために必要とされることとは。
この1、2年で認知度が上昇
カゴメによると、プラントベースフードについての認知度は15.4%が「知っている」、17.0%が「聞いたことがある」と回答。合計すると3割超(326人)となった。
この326名に対してプラントベースフードを初めて知ったタイミングについて問うたところ、「1年くらい前」(33.4%)、「2年くらい前」(24.5%)、「1年未満」(20.9%)と、8割近くが直近の約2年間でプラントベースフードに初めて触れたとの回答だった。
代表的なプラントベースフードである大豆ミートが、将来食肉の供給不足となる「たんぱく質危機」回避や、CO2排出量削減などに寄与するサステナブルな食品として注目を集めていることから、認知度が拡大しつつある状況がうかがえる。
同じくこの326名に「味への不安」についての調査を行ったところ、7割超が「味に不安がある」と回答。
実際に「プラントベースフード」を食べたことがあるかについては、56.7%が「ある」と答えた。食べてみようと思った理由としては、「健康によいイメージがあったから」(51.6%)が最も多く、以下、「美容によいイメージがあったから」(34.7%)、「環境によいイメージがあったから」(32.8%)と続いた。
調査回答者のうち、この「カゴメ プラントベースフードシリーズ」を食べたことがある層(218人)に対して、味の感想を聞いたところ、99.0%が「おいしかった」と回答。また、99.5%が「また食べたい」と継続して購入する意向を示している。
認知拡大のため必要なのは、喫食経験を増やすこと
広報グループの榎木彩乃氏は「プラントベースフード自体の認知はここ数年で急速に上がってきているとはいえ、まだまだ認知拡大の余地がある。プラントベースフード自体の認知や、喫食経験を上げていくことが、プラントベースフードが食卓の新しい選択肢のひとつとして定着していくものだと考えている」と話した。
また、直近1年で、プラントベースフードのメニューや商品バリエーションが豊富になってきているといい、同社でも、消費者の興味を引くひとつのきっかけとなるようにと、マッサマンカレーやガパオなど、スパイスを使ったエスニックメニューを打ち出している。
榎木氏は同社のプラントベースフード製品について「発売以降好調に推移している。流通小売店での取り扱いも増えてきている状況」だという。業務用として大豆ミートボールなども扱っており、飲食店やスーパーマーケットなどの顧客に販売するときには、大豆くささの軽減やおいしさがアップする調理方法を、カゴメがレクチャーしている。
リサーチ会社「TPCマーケティングリサーチ」によれば、プラントベースフードの市場規模は2030年には2000億円超の規模になると予測されている。榎木氏は、「新しい食の選択肢として、プラントベースフードが定着し、今後さらなる市場規模の拡大が見込まれる。今のメーン喫食層は健康を重視する消費者ですが、“おいしさ”本位で選んでもらえるようになれば」と今後の抱負を語った。