ロフトがハロウィン売場を縮小し、こだわりの食を提案する企画を拡大する理由とは

崔 順踊(リテールライター)
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 また、パティスリーポタジエ(東京都)の柿沢シェフが監修した高知県四万十の食材をふんだんに使用した野菜かりんとうも販売する。

 1929年から90年以上の歴史をもつ美濃屋あられ(神奈川県)、人気の高い森白製菓(岐阜県)のあられやお菓子以外にも、米屋さんなど職人が仕事の時に巻く米袋をアップサイクルしたバッグやペンケース、お米由来の成分を使ったコスメも販売する。

「お酒を造っている背景や東日本大震災後の暮らしはこういう流れで進んでいて、色んな想いを抱えて作ってらっしゃるということ、福島や浪江町の魅力を消費者の方々に知ってもらう良いきっかけになると思いセレクトした」と高橋氏も語る鈴木酒造店(福島県・山形県)の日本酒である「磐城壽(いわきことぶき)」とスパークリング日本酒も販売する。同じ福島県でお酒をたしなむ道具として焼き物の大堀相馬焼も窯元をセレクトして徳利や片口、盃を販売する(写真)。

渋谷ロフト3階クック&ダイン「道の駅なみえ」&「ふくしま満天堂」
渋谷ロフト3階クック&ダイン「道の駅なみえ」&「ふくしま満天堂」

また、MURO神楽坂店(東京都)の究極の甘酒「A amasake」や東京23区で唯一の酒造である東京港醸造(東京都)の希少な「東京紅糀あまざけ」「東京あまざけ」も販売する。

 その他、消しゴムハンコ作家兼イラストレーター「とみこはん」の食のモチーフなどのグッズ販売やワークショップ、日々の食事からの筋力強化やローリングストックとして防災時に不足しがちなたんぱく質源にもなる石井食品(千葉県)の「イシイの佰にぎり」も販売する。また金沢大地(石川県)の「米あめ」やジャム、熟成したえごまの削りカスなどを使ったぬか床も同時に展開する。

日本の魅力・ローカルの魅力をロフトらしく編集し伝え、共に育てる

 今後もロフコト雑貨店は年に2度のペースで継続する予定である。また、今回の企画は渋谷店、銀座店をはじめ4店舗での限定開催であるが、今後は店舗を拡大する計画である。

 「地方の魅力を伝えるというところで、東京では見られない珍しいものや小さな会社だが面白い活動をされている若手の方をご紹介するということも一つの使命として選んでいる」と高橋氏が言うように、今回セレクトされた商品一つ一つには特徴的な物語とこだわりが詰まっている。本企画で紹介された商品はECでも販売され、一部商品は会期が終わった後も継続的に店頭やECで取り扱われる。

 「一回で終わるのではなく一緒に育てていくことも大切であるということが企画のベースにあります」と高橋氏が述べるように、同社は「食」と「ローカルの魅力」を今後も「こだわりの目利き」で発掘し、インキュベーターの役割をしながら、日本や世界にその魅力を発信し続けてくれるだろう。

 

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