今夏、流行の冷菓はパフェ 「進化系&夜」をキーワードに多業態から続々登場!

2022/08/12 05:55
    佐藤 良子
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    注目すべきは進化系パフェと夜パフェ

     以降、パフェは大人の嗜好品としての要素が増した。インスタグラムをはじめとするSNSでの露出・拡散の影響が大きく、以前からパフェを出す喫茶店やカフェ、フルーツパーラーはもちろんあるが、レストランやパティスリー、パフェとお酒の専門バー、中国料理店といったパフェとは無縁そうな業態のアイドルタイムにまでパフェ旋風が巻き起こっている。

     中でも今年注目したいパフェの動きは2つだ。それが①工芸品のような「進化系パフェ」、②ブームよ再び!?「夜アイス・夜パフェ」だ。

     ①工芸品のようなパフェは、主にパティスリーのイートイン、アシェットデセール専門店(皿盛りデザートの店)、ホテルを中心にカフェでも構成が緻密なパフェを出す例が増えている。

     パフェといえば、一番底はコーンフレーク、次にアイスと生クリーム、そして旬のフルーツが乗るような、フルーツが主役のスイーツといったイメージがあるが、彼らが作るパフェにコーンフレークは姿を消し、アイスクリームと生クリームでかさ増しすることもない。ケーキやアシェットデセールをグラスに構築したイメージだ。

     パフェの魅力は、複数のパーツを「上から食べるしかない」という作り手の意図した順に食べてもらえること、味の重なりを緻密に計算できること、表現の幅が広い透明グラスを使うことが挙げられる。複数のパーツが溶けて混じり合って生まれる味の変化や調和も計算し、どの位置にどれくらいの量を盛り付けるか、を考えるという。

    グラスを分断する盛り付けが流行

    兵庫・芦屋のパティスリー「菓子屋 月ノ葉」の「無花果のパルフェ」。グラスの上に乗ったものを食べ終えるとスパイシーな赤ワイン無花果ソルベやお茶のクリーム、新生姜のクランブル、レモンのジュレが層に。グラスを分断するパイはそのまま食べても、割ってグラスの中のものと混ぜて食べてもいい。
    兵庫・芦屋のパティスリー「菓子屋 月ノ葉」の「無花果のパルフェ」。グラスの上にのったものを食べ終えるとスパイシーな赤ワイン無花果ソルベやお茶のクリーム、新生姜のクランブル、レモンのジュレが層に。グラスを分断するパイはそのまま食べても、割ってグラスの中のものと混ぜて食べてもいい。

     神戸・三宮のイノベーティブレストラン「柏木」が展開する、芦屋市のパティスリー「菓子屋 月ノ葉」では、季節のフルーツを中心に、様々なフレーバーを組み合わせるモクテル(ノンアルコールカクテル)をイメージした「パルフェ」を提供。

     グラスに複雑な層を重ね、そのグラスの口にパイやサブレで蓋をして、パイの上にはアイスクリームやブリュレ、チョコレートや飴などをのせ、中にはクラッカーの上に紫キャベツのマリネやクリームチーズ、桃、ピンクペッパーをのせるレストランのアミューズのような「カナッペ」を盛ることも。まずはそのカナッペを手でつまんで食べてから、他を食べ進める趣向で、「グラスに盛り付けるコース」をイメージしているという。

     こうしたグラスの上と下を分断する盛り付けは、今年のトレンドの一つで、グラスにクッキーやパイ、メレンゲといった保形性のある菓子で蓋をして、グラスの中と外を分け、上のものと下のものを混ぜずに提供する演出が増えている。上のものを食べてから下にパフェが現れるお得感、上にあるスイーツを食べてから蓋になっているパイやクッキーをそのまま食べたりザクザク割って下のパフェに加えたりする食べ方の広がり、蓋をすることで下と上で表現できることが違うといった魅力がある。

    グラスの上には、マンゴーのチュイルやマンディアン(チョコレート)、お茶のブリュレ、プラムのコンポートを乗せたサブレなどが。これらを固定する糊として使うクリームチーズの塩気も楽しい
    グラスの上には、マンゴーのチュイルやマンディアン(チョコレート)、お茶のブリュレ、プラムのコンポートをのせたサブレなどが。これらを固定する糊として使うクリームチーズの塩気も楽しい

     

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