春に向けて気温上昇へ、温度変化に先手を打つためのウェザーMDを解説!

常盤 勝美 (True Data流通気象コンサルタント)
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季節の進みとともに気温がどんどん上昇していく、これから7月までにかけての時期、暖かさ、暑さを示す表現として「夏日」「真夏日」など気温に関する言葉をよく耳にするようになります。それに向けて夏物・盛夏物商品の積極展開をスタートしていくわけですが、どのタイミングでどのような施策を行うのがよいのか、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。今回は、購買ビッグデータ企業に勤める流通気象コンサルタントの目線から、「気温軸」から食品スーパーの商品政策(MD)を考察していきますので、春夏物商戦のMD計画の参考にしてください。

mladenbalinovac/istock
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春夏期は「目安温度」に注目しよう!

 まず、天気予報でもよく用いられる、気温に関する気象用語の定義について確認しておきましょう。

「夏日」………最高気温25℃以上
「真夏日」……最高気温30℃以上
「猛暑日」……最高気温35℃以上
「熱帯夜」……最低気温25℃以上
「冬日」………最低気温0℃未満
「真冬日」……最高気温0℃未満

 といったように、気象用語は5の倍数のキリの良い数字の温度によってが用いられています。これから春夏の季節は、とくに「夏日」「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」の指標が重要となりますが、それだけでなく、同じくキリの良い数字として、15℃、20℃も「目安温度」として押さえておきたいところです。

 春夏期における目安温度ごとのウェザーMDのポイントは以下です。

15℃……外気温と体温のバランスで、積極的な外出をしたいようになる目安温度。行楽用品などアウトドア関連商品の売上の伸びが始まる。

20℃……虫などが活発に活動し始める温度。本格的な春到来を実感し、前日との温度差によっては、暑いくらいの陽気を感じる。夏物季節商品の準備を始めようというマインドが働く。

25℃……外気温が徐々に体温に近づいてくるため、体温の上がりすぎを回避するために体温上昇を抑止する効果のある商品への関心が高まる。
30℃……外気温が一層体温に近づく。体内産熱の促進を連想するような高カロリー商品へは関心が向かなくなる。また熱中症リスクを回避するため、外出意欲が減退する。

35℃……死の恐怖を感じるほどの暑さ。基本的には外出したくなくなる。客足にも大きく影響するようになる。

では、「目安温度」に到達した時、どんなカテゴリーでは売れ筋が変化するのでしょうか?ある温度帯をきっかけに売上規模が変化する商品と注意すべき温度帯について見ていきましょう。

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記事執筆者

常盤 勝美 / True Data 流通気象コンサルタント

株式会社True Data 流通気象コンサルタント  神奈川県小田原市生まれ。

大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。現在は株式会社True Dataに所属し、流通気象サービスを推進している。著書に「だからアイスは25℃を超えるとよく売れる」(商業界)など

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