輸入ビール市場、家飲みでのプチ贅沢として海外ビールの新規ユーザーが拡大

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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新型コロナウイルスの感染拡大による家飲み需要に加えて、昨年10月の酒税改正によるビールの減税も影響し、輸入ビールカテゴリーも再活性化。店頭での露出も増えており新規ユーザーが拡大している。

酒税改正によるビール回帰も後押しし2ケタ増の大幅伸長

 KSP-POSによると、2020年11月から21年10月の輸入ビールカテゴリーの期間通算金額P Iは前年同期比20.6%増の645.64円、数量PIは21.7%増の2.41と、金額・数量ともに前年を大きく上回る結果となった。

 月別の動向をみると、新型コロナウイルスの影響による家飲み需要の伸長に加えて、20年10月の酒税改正によりビール全体が手に取りやすくなったことから、20年11月から21年2月まで前年比20%以上の大幅増で推移。

瓶ビールのイメージ
輸入ビールは数年前のクラフトビールブームが落ち着いてから、感度の高い若年層やビール好きのための商品といったイメージが強かったが、コロナ禍による飲食店等の営業自粛が影響し家庭用が再活性化している。 i-stock/carlosgaw

 21年3月以降は緊急事態宣言下の外出自粛により、まとめ買いをする生活者が急増した前年の反動があり、とくに4月は前年比91%と期間中唯一前年を割り込んだが、5月には前年比5%増、6月以降はふたたび2ケタ増で推移している。

 輸入ビールは数年前のクラフトビールブームが落ち着いてから、感度の高い若年層やビール好きのための商品といったイメージが強かったが、コロナ禍による飲食店等の営業自粛が影響し家庭用が再活性化。キリンホールディングスによると輸入ビールの代表的ブランドである「ハイネケン」は、2012年以降8年間で販売数量が約3倍に拡大。飲みやすさやインターナショナルなブランドイメージなどが多くの生活者に支持されているようだ。

 アサヒビールもピルスナータイプの元祖として知られるチェコのビール「ピルスナーウルケル」の330ml缶を21年4月に首都圏・関信越エリア限定で通年発売。6月には完全予約受注制で全国発売している。

 また、健康志向の高まりを受け、ノンアルコールビールも好調に推移している。パナバックのドイツ産ノンアルコールビール「ヴェリタスブロイ」は21年、年間販売本数1000万本を達成。22年1月には味のブラッシュアップを含めた商品リニューアルを実施し、シュリンクパックを採用した6缶パックも展開する。

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