日本スーパーマーケット協会(JSA)は3月22日、22年2月実績のスーパーマーケット統計調査を発表した。水産など一部振るわないカテゴリもあったものの、概ね前年を上回り好調を維持する結果となった。
2月のスーパーマーケット販売統計
22年2月のスーパーマーケット総売上高は9177億1854万円(既存店ベース)で、前年同月に比べ0.9%増の結果となった。なお、前月(1月)の総売上高は9564億4122万円だった。2月の結果の要因としては、まん延防止等重点措置の発令による内食需要の増加や、気温が低かったことによる冬物商材の好調などが挙げられる。
部門別では特に好調だったのが総菜(前年同月比3.1%増)で、最もマイナス幅が大きかった(「その他」を除く)のは水産の同2.3%減だった。水産、非食品以外のカテゴリはすべて前年を上回る結果で、内食需要の増加が明確に示されている。水産の落ち込みに関してJSAは、相場高や入荷不足の影響があったとしている。エリア別では、北海道〜近畿地方までがほぼ前年水準となる中、中国・四国地方では同1.9%増、九州・沖縄地方では5.7%増となった。
2月のスーパーマーケット景気動向調査
また、JSAは2月のスーパーマーケット景気動向調査についても発表した。50を基準とし、景気感調査を元に算出される景気判断DIは46.8で、前月の41.7から大幅に改善した。一方で、見通し判断は40.1(前月比 プラス1.4)と。先行きの不透明感が拭えず小幅な改善にとどまった。
0を基準として経営状況とカテゴリー別の動向を示す経営動向調査では、売上高DIがマイナス1.0(同 プラス8.2)、収益DI マイナス2.4(同 プラス8.9)と、マイナス幅を大きく縮小した。客単価DIは13.5(同 プラス12.0)、来客数DIはマイナス15.0(同 マイナス3.0)で、まん延防止等重点措置の発令によるまとめ買い、来店頻度減少の傾向が明らかとなった。
仕入面では、生鮮食品仕入原価DIが15.0、食品仕入原価DIが17.3と、畜産・水産相場、原材料価格の高騰を受け、11年の調査開始以来最高水準まで上昇している。
カテゴリ別では、売上高でも減少が見られた水産DIがマイナス8.7(同 マイナス3.0)と不調のほかは、マイナス幅を縮小したカテゴリが多かった。とくに、節分の恵方巻関連が好調に推移したことや、家庭内の昼食需要などから、総菜DIが9.8と好調を維持している。日配DIは、前月のマイナス7.6から2.6まで改善、プラスに転じた。内食需要の増加や、寒さによる鍋物関連の好調などが要因と見られている。
今後は、幅広い範囲で値上げ・価格改定が相次いでいることから、消費動向にどの程度の影響を与えるのかが懸念される。また、まん延防止等重点措置の全面解除によって、内食需要がどのように推移していくのかも注意して見守る必要がある。他方、期待できるプラス要因としては、今後実施が想定される各種消費喚起策などが考えられる。