野菜ジュースなどでおなじみの紙容器リサイクル「100本中96本が燃やされる現実」への突破口

日本テトラパック

 今回の3社共催によるリサイクル啓発イベントでは会場を提供。お客さまと直接対話ができ、有意義な企画だったと話す。とくに、アルミ付き紙容器をどのようなかたちで回収ボックスに入れたらいいのかを、日本テトラパックのスタッフが実演したことで、来店客の関心が高まり、環境保全への気づきになったと評価。さらに、新たな来店動機の創出にもつながったと喜ぶ。

 「環境意識が高まる中、お客さまのお店選びの基準として、価格や品揃え、品質だけでなく、『環境に配慮する企業』も重要な選択肢になりうると感じています。今回のように、小売業とメーカー、容器メーカーが一緒になってリサイクルを訴求できるのは新しい切り口であり、リサイクル行動が地域に定着するよう、他店舗への展開も検討しています」(広報担当者)

消費者に直接情報を伝え課題を聞き取る絶好の機会

カゴメの取り組み

カゴメ製品
テトラパックのアルミ付き紙容器を採用したカゴメ製品

 食を通じて3つの社会課題「健康寿命の延伸」「農業振興・地方創生」「持続可能な地球環境」の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業をめざすカゴメ。なかでも、「持続可能な地球環境」については、商品容器や梱包資材を環境負荷の低いものに切り替え、サステナブルな社会の実現に貢献している。具体的には、紙容器飲料のプラスチックキャップを植物由来素材に切り替えたほか、ストローレス化を図り、ペットボトル容器も環境に配慮した100%リサイクル素材を採用している。

 しかしながら、最も多く調達している容器であるアルミ付き紙容器についてはリサイクルが進まず、焼却処分されていることに課題感を持っていた。そうした中、日本テトラパックから3社共催による啓発イベントを提案され、ぜひ資源循環の促進に貢献したいと賛同したという。

 「3社共催のメリットは、消費者の方に直接情報をお伝えしたり、課題の実態を聞き取ったりできることです。今回、アルミ付き紙容器の再資源化があまり知られていないことがわかり、認知を広げる活動が必要だと実感しました。また、牛乳パックに比べてハサミで切りづらいという声もあり、リサイクルが浸透しないボトルネックの一つではないかと気づかされました。今後、こうした課題を解決していくために、いろいろなステークホルダーの方と一緒に取り組んでいきたいと考えています」(サステナビリティ担当者)

日本テトラパックの紙容器の回収・リサイクルの取り組みについてはこちらをご覧ください

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