アメリカで相次ぐ、セルフレジの”戦略修正”
セルフレジはスーパーマーケット(SM)業界から普及が始まり、今やドラッグストアやホームセンターといった集中レジ方式を持つ小売業界では普通に見かけるごく一般的な決済方式となった。このトレンドは日本やアメリカだけではなく、世界中で共通に見られる現象のようだ。グローバルな出荷台数ベースで2021年に20万台を突破して、27年には30万台を突破するだろうという調査レポートがある。
SM業界では21年に全台数の40%弱になっている。またトランザクション数で半分を超えたという調査レポートもある。セルフ化はざっくりと半分ぐらいまでは進むのだろうと思っている。
このトレンドの中で徐々に問題としてクローズアップされ始めているのが万引きによる不明ロスの増加である。AI技術を使ったレジ作業分析で、対面レジの不明ロス率は0.3%だが、セルフレジは6.7%に跳ね上がったというデータがあるのだが、現場の体感でも万引きは増えたという話をちらほら耳にするので、データ云々の前に事実として受け止めなければならないだろう。
潮目が変わり始めたのが昨年からで、積極的に導入してきた企業が徐々に戦略に修正を加え始めている。
対面レジ“復活”の動き
いちばんわかりやすい例がダラーゼネラルだ。1万9000店舗を展開しているので、戦略修正による影響力は小さくない。決算時にCEOが言及した内容は3つに分かれている。
①すべてのセルフレジ、または一部のセルフレジを、
鈴木敏仁のアメリカントレンド の新着記事
-
2024/10/17
置き配、ロッカーを超える利便性?ライブトラッキングが促す物流改革とは -
2024/09/21
ウォルマートも推進!小売業を変える、 広義の自動化とは何か? -
2024/08/14
「AIがサステナビリティを実現する」その最新事例とは -
2024/07/04
ターゲットにチポトレ、ウォルマートも RFID 本格拡大の背景 -
2024/06/06
アメリカで相次ぐ、セルフレジの”戦略修正” -
2024/04/18
ウェンディーズも大胆な実験!米国で進む店頭販促とダイナミックプライシングの融合
この連載の一覧はこちら [45記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-12価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-10-19ゆめマート五日市の売場づくりを徹底解説!
- 2024-11-08店舗網とM&Aの歴史が丸わかり!最新ロピア勢力図MAP!
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-13繁盛店は80億円!ロピア、強烈な販売力支える「100%現場主義」の正体とは
- 2024-11-11現場力+標準化!繁盛店ロピア五所川原店の分析で見えた「強いまま急成長」の秘策とは
関連キーワードの記事を探す
週刊スーパーマーケットニュース アオキスーパー、「レジ専用イス」を全店に設置が完了
ライフ、自然派PB ビオラルの売上を、30 年度に現在の4 倍にする戦略とは
クシュタールのセブン買収提案は米国内でどう報じられているのか、在米ジャーナリストが解説
日本展開に意欲!英テスコがネットスーパーの“外販”開始、高い実力とは?