寿司にジャム?!和食を海外に広める上で大切な「独自の食文化を尊重する」ということ
彼を知り、己の文化を伝える
食器や食事マナーにしても、食卓の大きさや高さによって確立されてきたところがある。日本のちゃぶ台文化の場合、食卓は小さく、低い位置にあったから、茶碗やお椀を手に持ち箸を使って食べるのが普通であり、子供の頃からそう習う。しかし、欧州の場合は食器は置いたままが当たり前。ナイフ・フォークを駆使して料理を取り、口に運ぶのにテーブルのサイズや高さが適しているからだ。所与の環境からして、そもそも大きく異なっているのだ。
だから藤口さんは、原理主義者のように日本料理をそのまま海外に押し付けるというようなスタンスはとらない。お互いの文化の違いを違いと認め、尊重した上で、日本の技術や味わいなどをしっかり伝えていこうとしているのである。
奇しくも、2013年に和食(=日本料理)がユネスコ無形文化遺産に登録された。彼を知り、己の文化を伝えることに努める藤口さん。時間がかかるかもしれないが、そんな活動が結実した時には、これまでとは全く違う新しい食文化が生まれる可能性もある。
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