環境や消費者に合わせ、変化への対応を加速=ウォルマート社長兼CEO ダグ・マクミロン
最優先課題は、既存店の売上向上。スーパーセンターは
今後、何年も当社の経営にとって重要な役割を果たす
顧客対応力をさらに強化し、お客さまによりよく奉仕するために、3つの方針を立てた。顧客中心主義の組織をつくること、アソシエーツ(従業員)に投資すること、技術とイノベーションで他社に先行することだ。
私はCEOに就任したとき、顧客中心主義の考え方でウォルマートを率いていくことを決意した。まず、顧客中心主義に基づく組織の構築について話したい。
今、お客さまがウォルマートに期待することは何か? 売場に楽しさがあること、欲しい商品をすぐに買えること、そして、いつでもどこでもどんな方法でも購入できる自由さだ。そのどれを実現するためにも、店舗と新たなデジタル・コマースを融合させることが求められる。これを実現し、お客さまがお金と時間を節約できるように、そして欲しい商品を容易に入手できるようにしたい。
ここ数年はとくに、お客さまの買物体験の向上と、注文を受けてから届けるまでのプロセスの効率化に投資してきた。今後も引き続き投資するつもりだ。
現在、当社には約1万1000店舗があり、その数は増え続けている。いずれもすばらしい従業員が運営する、すばらしい店舗だ。しかし、これまでにも増して便利な店舗になる必要がある。お客さまが欲しい商品を、欲しいときに入手できる便利さを提供したい。そのための新たなサービスや、お客さまが注文した商品の受け取り拠点としての機能を店舗に付加していく。同時に、要望がある地域では食品の宅配事業にも力を入れていく。
お客さまは便利さを求めるだけでなく、賢く、合理的な買物を求めている。低価格、革新的な商品、気持ちのよい接客に敏感に反応する。だから、出店しているどの国でも、今まで以上のレベルで店舗を運営しなければならない。プライス・リーダーシップ(価格指導制)、すぐれた在庫管理、フレンドリーな接客、思わず買いたくなる品揃えを実現し、お客さまが買物したくなるような店舗をめざしたい。
ウォルマートがお客さまからの信頼を勝ち得てきた大きな要因のひとつが、EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)だ。当社の強みであるEDLPにさらに磨きをかける。それに加えて、お客さまに驚きや楽しさを与えられるような商品を積極的に販売するなど、マーチャンダイジング面での新機軸を増やすことで、来店客数を増やしたい。
今、当社にとっての最優先課題は、既存店の売上を向上させることだ。低価格の実現のために投資し、接客を強化すれば、この目標は必ず達成できると考えている。
私は、当社の核となる事業について自信を持っている。スーパーセンターは今も世界中で受け入れられているフォーマットで、今後、何年も当社の経営にとって重要な役割を果たしてくれるだろう。
同時に、ウォルマートは世界各地で小型のフォーマットを展開している。米国で出店を強化している「ネイバーフッド・マーケット(Neighborhood Market)」はその一例。そのほかのフォーマットも実験中だ。
1人のお客さまが1週間のうちにいろいろなフォーマットで買物をする。そのような買物環境を提供したい。