米ディスカウントストア大手のターゲットは5月7日、クラウドソーシング型宅配サービスのデリブ(Deliv、カリフォルニア州メンローパーク)が持つ配送関連の技術資産を買収する計画を進めていることを明らかにした。
デリブは2012年に創業したスタートアップ企業で、ドラッグストア大手のウォルグリーンや百貨店大手のメーシーズ、家電量販店大手のベストバイなどと提携。提携先企業がEC(インターネット通販)サイトやモバイルアプリなどで受注した商品の即日配達を請け負っている。自社で宅配ドライバーを抱えているわけではなく、自社開発したアプリで小規模の物流業者やフリーランスのドライバーに仕事を割り当てる。
ターゲットが買収する技術資産には、受注処理や配送ルート最適化などのテクノロジーが含まれるものと見られる。ターゲットは、デリブの事業や顧客は引き継がないが、デリブの創業者でCEO(最高経営責任者)のダフネ・カーメリ氏が、同社に入社する可能性があるとしている。
ターゲットはEC事業の強化を進めており、2017年には買物代行サービスのシップト(Shipt)を5億5000万ドルで買収した。デリブが持つ技術資産を活用することで、ECの配送サービスをより強化する狙いだ。
なお、ウォールストリート・ジャーナルなどの報道によれば、デリブは8月4日までに事業を終了する予定だという。