「ディズニー化」進む? ネットフリックスが2025年にリアル店舗を出店するねらい
激化するサブスク戦争
コンテンツ強化の必要性
こうしたネットフリックスのリアル店舗出店は、デジタルストリーミングで隔てられたファンと制作者を物理的な商品で近づける意味において、同社を「ディズニー化」させるものと言っていい。
しかし、米公共ラジオNPRでテレビ評論を行うエリック・デガンズ氏は、「ネットフリックスはディズニーと競争しようとしているようだが、それにかかる莫大な費用を考えれば、採算が合わないだろう」と否定的に見る。一方で、米投資サイト「モトリー・フール」の上席メディアアナリストを務めるリック・ムナリズ氏のように、「ディズニーとNBCユニバーサル(NBC Universal)にテーマパーク運営ができるなら、ネットフリックスにも可能性がある」との見方もある。
いずれにせよ、競争は厳しいものになる。加えて、コンサルティング大手のデロイトが2023年4月にまとめた約2000人の米消費者に対する調査によれば、1981年以降に出生したミレニアム世代および2000年前後に出生した世代と、それよりも上の世代のエンタメの楽しみ方を比較した場合に、若年層でゲームとユーザー生成コンテンツ(UGC)が顕著に多く選好されていることが判明している。
ネットフリックスは自社の人気映画やテレビ番組を基にしたゲームのアプリをリリースするなど対応を怠っていないが、動画ストリーミングのコンテンツや魅力をさらに高めてゆくことが求められていると言えよう。