米ウォルマート、デジタル変革の責任者に元アマゾンのクマール氏、CTO兼CDOに就任
米ウォルマートは5月28日、アマゾンに15年間勤務し、バイスプレジデント(執行役員)として販売管理システムや物流システムの責任者を務めたスレシュ・クマール氏(54歳)が7月8日付けで最高技術責任者(CTO)兼最高開発責任者(CDO)に就任すると発表した。
ウォルマートではこれまでCTOと最高情報責任者(CIO)の2人が全社的なデジタル変革を指揮してきたが、前CTOのジェレミー・キング氏が3月に退職。今後はクマール氏がデジタル変革全般の責任者となり、最高経営責任者のダグ・マクミロン氏に直属する。最高情報責任者(CIO)のクレイ・ジョンソン氏はクマール氏の配下となる。
クマール氏はインド工科大学を卒業後、米プリンストン大学大学院で工学博士号を取得、IBMの研究所を経て、アマゾンで勤務した。その後、マイクロソフトのクラウド事業担当の執行役員を経て、グーグルでディスプレー・ビデオ・アプリの広告・分析担当執行役員を務めた。
ウォルマートのEC(インターネット通販)売上高は2019年1月期に前期比40%増となり、推定で160億ドル(約1兆7600億円)に達したと見られる。クマール氏はアマゾンなどでの経験を生かし、ECの成長をさらに加速させる。
また同社は昨年、マイクロソフトと提携を発表、社内システムやECシステムのクラウド化を促進する予定。さらに、今年4月にはインターネット広告事業の強化に向け米シリコンバレーのベンチャー企業、ポリモルフ(Polymorph Labs)を買収すると発表しており、こうした分野でもクマール氏の知見が生きてきそうだ。