米ウォルマート、店舗デザイン刷新の第2弾、オンラインとの融合進める
米ウォルマートが、オンラインとの融合を意識した店舗デザイン刷新の第2弾に着手した。すっきりとした店内デザインで商品を探しやすくしているほか、各売場にディスプレーコーナーを設置して商品のコーディネート提案を強化している。
「インタラクティブストア」と名付けられたプロトタイプは、アーカンソー州スプリングデールの既存店を改装して1月27日にオープンした。店内にはデジタルサイネージを多数設置、売場案内として活用するほか、商品の魅力を伝える動画を配信する。
同社が「アクティベーテッド・コーナー」と呼ぶディスプレーコーナーを売場ごとに設置、アパレルや寝具などのコーディネートを提案する。掲示されているQRコードをスマートフォンアプリで読み取ると、商品の詳細な情報を調べたり、店頭には置いていない色柄・サイズの商品をオンラインで注文したりすることができる。
「エレベーテッド・ブランドショップ」と呼ぶインストアショップ(店内店舗)的な売場展開も増やした。「リーボック」などのナショナルブランドやウォルマートのプライベートブランドを、広いスペースを使って1カ所で集中展開する。
ウォルマートは店舗とオンラインストアの商品部門を統合、店頭とオンラインの在庫管理システムも一元化した。店舗デザインを刷新することでショールームとしての機能を強化し、店頭在庫がない商品についてはオンラインストアに誘導、購入できるようにしている。
このようなオンラインとの融合を意識した店舗デザイン刷新の第1弾は2020年秋にスタートした。第1弾では、店頭在庫を絞り込み、「デリ」や「婦人アパレル」といった売場サインを大きく掲げることで、スマホアプリを使って商品がどこに置いてあるのかをすぐに探せるようにした。通路幅を広げ、陳列棚の高さを抑えることで、店内の見通しもよくした。非接触のセルフレジを導入しているほか、来店客がスマホアプリを使って商品バーコードを読み取り、アプリで決済できる「スキャン&ゴー」も利用できる。
こうした店舗デザインの刷新は、すでに1000店舗近くで実施。来店客や従業員からのフィードバックを生かして、第2弾の店舗デザイン刷新を決めた。