太平洋側でもドカ雪のリスクが高まる理由!2022年の天候トピックス総まとめ

常盤 勝美 (True Data流通気象コンサルタント)
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2022年の締めくくりとして、今年の天候の特徴を振り返ります。また、それらの状況から、これからの時代のウェザーMD実践に向けて知見としておきたいポイントについて、いくつか整理しておきます。

Elenathewise/iStock

2022年の天候トピックス

 2022年のウェザーMDに関連しそうな天候のトピックを、以下に記します。2022年は流通に大きな打撃を与えるほどの自然災害は少なかったかもしれませんが、さまざまな異常気象、気象災害に見舞われました。

【年間】
 ・夏の後半、一旦規模が縮小したが、結果的には年間通してラニーニャ現象が継続

【上半期】
 ・厳しい寒さの年明け・正月
 ・1月6日、東京23区に大雪警報。都心で積雪10cmの大雪
 ・2月7日、札幌周辺で短時間のドカ雪により交通機関がマヒ
 ・2021年~2022年の冬は、東日本、西日本で寒冬、北陸など日本海側では多雪
 ・3月一気に気温上昇、桜の開花は全般に平年よりやや早め
 ・線状降水帯に関する予測情報、6月から気象庁で運用開始
 ・6月下旬、関東北部内陸部などで40℃超えの気温を記録
 ・6月下旬、異例に早い梅雨明け発表(なお確定値では日付が修正)

【下半期】
 ・8月3~4日、山形県、新潟県の一部地域に大雨特別警報発表
 ・8月13日、台風8号が伊豆半島上陸後、関東を通過、お盆休みの土日を直撃
 ・確定値で九州~関東の梅雨明けを1か月近く後ろ倒し、北陸・東北は特定せず
 ・2022年夏は全国的に猛暑、西日本では戦後1位タイの高温
 ・9月17日、台風を要因とする特別警報(暴風・波浪・高潮)を鹿児島県に発表
 ・9月18日、台風14号、非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸
 ・9月18日、台風14号接近に伴う大雨により、宮崎県に大雨特別警報発表
 ・10月7日、東京の最高気温は、10月上旬としては88年ぶりの低さ
 ・北海道各地での初雪は平年より遅れ気味。10月中の観測なし

2022年の天候の特徴

 下図は、2022年1月から11月半ばにかけての、気温の平年差の推移グラフです。4つの地域は、上から順に、北日本(北海道・東北地方)、東日本(北陸・関東甲信・東海地方)、西日本(近畿・中国・四国・九州地方)、沖縄・奄美です。

 地域ごとの横線が平年並としたとき、グラフがそれより上で赤色に着色されている領域が平年より高かった時期、下で青色に着色されている領域が平年より低かった時期を表します。

 それぞれの季節の気温傾向は上表のようにまとめることができます。冬の低温、夏の高温は、いずれもラニーニャ現象発生時の典型的な傾向に矛盾がありません。また、春と秋の気温上下の波が大きい状況は、地球温暖化の進行により起こりやすい傾向と一致しています。

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記事執筆者

常盤 勝美 / True Data 流通気象コンサルタント

株式会社True Data 流通気象コンサルタント  神奈川県小田原市生まれ。

大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。現在は株式会社True Dataに所属し、流通気象サービスを推進している。著書に「だからアイスは25℃を超えるとよく売れる」(商業界)など

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