アークス中間決算は増収増益 横山会長は ”北海道第2次流通革新”への突入を指摘!
10月15日、アークス(北海道)が2026年2月期の中間決算を発表した。ロピア(神奈川県)が昨年12月に道内1号店を出店したほか、ロピアと業務提携するアークランズ(新潟県)もFC店をオープンするなど競争環境が激変する北海道。イオン北海道、コープさっぽろ(いずれも北海道)とともに道内食品小売シェアを三分するアークスの中間決算はどのような結果だったのか。

売上高は過去最高、段階利益すべて増益
アークスの2026年2月期第2四半期決算(連結)は、売上高が対前年同期比3.6%増の3136億円、営業利益が同11.4%増の79億円、経常利益が同9.8%増の87億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同14.3%増の57億円だった。中間期としての売上高は過去最高を更新、段階利益はすべて増益となった。
好調の主因は既存店の好調だ。上期累計の既存店売上高は同3.3%増。客数、客単価ともに前年同月を上回った。利益面では、人件費が17億円上昇したものの、経費コントロールおよび設備費削減などに努め、販売費および一般管理費(販管費)上昇を予算内におさめた。売上増による売上総利益の伸びが販管費増をカバーし、営業利益は2ケタの伸びとなっている。
上期の新規出店はなく、ベルジョイス(岩手県)が2025年5月に「ロッキー村崎野店」(岩手県北上市)を閉店したことにより、上期末の店舗数は374店舗(前通期から1店舗減)となった。改装は、従来から推進している「スーパーアークス」へのフォーマット変更を含め9店舗で実施。なお26年2月期通期累計では1店舗の新規出店、24店舗の改装を予定する。
横山会長「北海道は第2次流通革新」
2024年5月より、横山清氏が代表取締役会長・CEO、古川公一氏が取締役副会長・CFO、猫宮一久氏が代表取締役社長・COOを務める「3C」体制となったアークス。決算会見に臨んだ横山会長は、現在の事業環境を「第2次流通革新」と表現する。
1970年代、ダイエー(東京都)をはじめとした大手チェーンが北海道に進出し、2020年代に再編・撤退などにより企業数が減少するまでが「第1次流通革命」。インフレ下でディスカウンターを中心とした新興勢力が北海道・東北に進出した現在のこの状況は、「第2次流通革新」のフェーズにあるという。
念頭にあるのは、ロピアの存在だ。神奈川県を地盤に、関西、中部、九州、東北と、直近では年間20店舗を超えるペースで出店を重ね、全国に店舗網を広げるロピア。道内には、イトーヨーカ堂(東京都)の店舗を承継するかたちで、24年12月に1号店「屯田店」(札幌市)を出店。25年10月現在、道内に4店舗を展開する。26年には道内5店舗目となる新店を札幌市豊平区に出店することが明らかになっている。
低価格を強みに商勢圏を侵食しようとする競合に対し、アークスは生産性向上、ローコスト経営を継続しながら、「納得価格」を追求することで長期目標に掲げる売上高1兆円の達成をめざす。下期もグループ会社の商流統一、バローホールディングス(岐阜県)、リテールパートナーズ(山口県)からなる「新日本スーパーマーケット同盟」の共同購買などを通じた原価低減を継続するとしている。
通期の業績予想は期初から据え置き、売上高が対前期比2.4%増の6230億円、営業利益が同2.9%増の164億円、経常利益が同2.6%増の180億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の112億円を見込む。






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