スーパー、2020年度決算は絶好調、21年度格差急拡大の理由と見分け方
2020年度のスーパーマーケット(SM)業界は、コロナ禍で外食から内食へと需要がシフトしたことから、総じて増収増益となった。だが、かねて「勝ち組」とされてきた企業を中心に、通期ベースの増益幅は、第3四半期までの好業績をふまえた想定と比べるとやや小さいものとなった。2020年度はSM企業にとってどのような1年だったのか。
供給力が問われた2020年度
20年度のSM企業は、「巣ごもり特需から得られた『収穫』をどのように使ったか」で二極化している。コロナ特需の恩恵を受け、多くのSMが大幅な増収増益となった一方、いわゆる「勝ち組」とされるSM企業は、好業績で得た潤沢な資金を先行投資に充て、21年度以降の既存店売上高の伸び率の維持に備える動きが共通してみられた。
たとえばベルク(埼玉県)は、コロナ禍で取り込んだ顧客を定着させる価格施策としてEDLP(エブリデイ・ロープライス)を強化。ヤオコー(埼玉県)もベルクと同様にEDLP強化に乗り出したほか、既存店の活性化に向けた改装を前倒しで実施。20年11月に大型改装した「ヤオコー所沢北原店」(埼玉県所沢市)を含め、10店舗を改装している。
20年度は、コロナ禍で家庭内需要が急増した上半期を中心に、SMの「供給力」が問われた年でもあった。国内外から商品を独自に仕入れる「商品調達力」と、十分な物流体制を確立して確実に店舗へ商品を供給する「配送力」により、店頭在庫を安定的に維持できたSMは売上高を順調に伸ばしている。
この供給力という観点でも、ベルクの強さが際立った。
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