スーパーとドラッグストアはコロナ特需反動でどうなる?トップアナリストが見通す21年度展望とは
コロナ禍に伴う巣ごもり需要の急拡大により、食品スーパー(SM)の2020年度は記録的な好決算となった。ドラッグストア(DgS)も、都市部での店舗展開をメーンとする一部企業をのぞいて、業績は概ね好調だった。だが、21年度は好決算の反動減が懸念される。価格感度が高まり、消費が冷え込むとの見方も強い。21年度以降、SMとDgSはどのような姿になっていくのか。小売業界のトップアナリスト、クレディ・スイス証券の風早隆弘氏が解説する。
SM=2020年度決算は“申し分なし”
SMの20年度業績は、コロナ禍での「追い風」に乗り、各社とも申し分ないものとなった。内食需要の高まりにより売上高は大きく伸長。三密回避への対策としてチラシ特売などの販促を自粛したことに伴い、販売管理費が下がり、粗利益率が改善した。慢性的な課題であった人手不足も概ね解消している。
20年度は、コロナ禍で消費者の生活様式や購買行動が急激に変化し、コロナ禍以前から3~5年の中期的な視野で取り組んできた施策が実を結びやすい局面でもあった。
たとえば、ライフコーポレーション(大阪府)は、19年9月にアマゾンジャパン(東京都)と提携し、有料会員制プログラム「Amazonプライム」の日本会員向けサービスとして即時配送サービス「プライムナウ(Amazon Prime Now)」を東京都の一部エリアで開始。20年度も対象エリアを順調に拡大させ、多くのユーザーから支持を集めた。アマゾンとの協業は、デジタル対応の観点で競合他社の一歩先を行き、消費者とのタッチポイントを多様に増やす取り組みとして、その意義がさらに明確になったといえる。
ヤオコー(埼玉県)は、総菜の強化を軸とした「ミールソリューション」と、ローコストオペレーションをベースとするEDLP(エブリデイ・ロープライス)を絶妙なバランスで融合させ、内食需要が急増したコロナ禍でも消費者から圧倒的な支持を獲得した。ヤオコーは、先行投資を適切に実行して儲かる仕組みをきちんと構築し、これを着実に展開することに長けている。たとえば、
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