公正取引委員会は9月2日、コンビニエンスストア本部と加盟店との取引に関する実態調査報告書を公表した。公取委は、加盟店にとって不利な取引が横行していると判断し、コンビニ本部や業界団体に改善を要請する方針だ。
コンビニ本部に聞き取り調査を行った他、加盟店に対してアンケート調査を実施し、約1万2000店(8423オーナー)から回答を得た。調査は今年1月17日から2月14日に行った。
加盟店オーナーの経営状況に関しては、「あまり順調ではない」と「全く順調ではない」の合計が44.7%(「非常に順調である」と「順調である」の合計は28.2%)だった。本部に対する満足度は、「あまり満足していない」と「全く満足していない」の合計が44.4%で、「大変満足している」と「おおむね満足している」の合計32.7%を上回った。
加盟店オーナー募集時の説明と実際の状況に差がなかったかを確認したところ、41.1%が「加盟前に受けた説明よりも実際の状況の方が悪かった」、18.4%が「説明を受けていない」と回答した。
仕入数量の強制などに関しては、本部から強く推奨され、意に反して仕入れている商品が「ある」が51.1%、必要以上の数量を仕入れるよう強要された経験が「ある」が47.5%に上った。
また、24時間営業については「引き続き24時間営業を続けたい」は33.2%にとどまり、人手不足や深夜時間帯の赤字などを理由に、完全ないしは一時的に時短営業に切り替えたいと回答したオーナーが多かった。
公取委は、「合意すれば時短営業への移行が認められることになっているにもかかわらず、本部がその地位を利用して協議を一方的に拒絶し、加盟者に不当に不利益を与える場合には優越的地位の濫用に該当し得る」との見解を示した。