「海のエコラベル」を知ってますか?イオンリテールが MSC認証取得商品を増やす理由
2020年のオリンピックを視野に寿司を展開
イオンリテールは、2006年からMSC認証やASC認証を取得した魚種の取り扱い拡大に向け、生産者と連携している。従来取引のあった生産者に対して働きかけながら、認証取得への橋渡しとなる役割を担ってきた。
イオンリテール商品企画本部水産商品部の松本金蔵部長は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、認証の取得を進め、取り扱い魚種や品目を増やしてきた。今回に続き、20年6月にはMSC認証を取得している魚を使った寿司などの新商品を発売する計画だ」と話す。
イオンリテールがかねてより販売している宮城県産カキは、ASC認証を取得して3年目になる。最近は、戸倉だけではなく石巻湾一帯へと生産が拡大したこともあって、生産量は認証取得時の3~5倍になっているという。
今回MSC認証を取得した岡山県産カキについても、今後取り組みに賛同する生産者が増えることによりカキの生産量の増加が見込まれ、イオンリテールでは20年5月までに約110トンを提供する予定だ。今後岡山県産カキの生産量が増えれば、東日本は「宮城県産」、西日本は「岡山県産」というかたちで供給する方針としている。
「今後は取り扱い品目を増やすほか、生産量増加の可能性も見ながら、鮮魚部門におけるMSC・ASC認証商品の比率を15%から20%程度に上げることをめざす」(松本部長)
松本部長によれば、12年のロンドンオリンピック・パラリンピック開催時は、会場内で提供されるフィッシュ&チップスに使う水産物がMSC認証を取得していたという。東京オリンピック・パラリンピックにおいても、MSC認証商品が提供されるかどうかが注目を集めている。
日本においては、MSC認証の普及はまだ途上にある。国内小売最大手のイオングループがMSC認証商品の販売を拡大すれば、日本でも普及が加速しそうだ。