日本のGDP、4期連続プラス成長 内需けん引の構図続く
[東京 14日 ロイター] – 内閣府が14日発表した2019年7─9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.1%、年率換算でプラス0.2%となった。ロイターの事前予測の年率0.8%を下回ったが、辛うじて4四半期連続のプラス成長となった。
外需は引き続きマイナス寄与だった一方で、内需は駆け込み需要などに支えられて消費がプラスだったほか、設備投資や公共投資も堅調で、内需が景気を下支えする構図が続いている。
プラス成長への寄与が一番大きかったのは民間消費支出。夏場の天候不順による消費不振はあったものの、9月後半に耐久財を中心に消費税増税前の駆け込み需要が発生したことで、前期比プラス0.4%となった。プラスは2四半期連続。化粧品やパソコン、テレビ、自動車、時計などが寄与。
もっとも前期のプラス0.6%に比べると伸びは鈍い。内閣府は例年よりも長かった大型連休で4―6月期の消費が押し上げられた反動という要因もあるほか、駆け込み需要についても「前回増税時ほどではない」とみている。
民間設備投資は、省力化投資で押し上げられ、前期比0.9%のプラスと前期より強めの伸びとなった。プラスは2四半期連続で、業務用機械への支出が増加に寄与した。
このほか、住宅投資や公共投資もプラス。民間在庫投資は、増税前の駆け込み需要で取り崩しとなったことなどが響き、マイナスの寄与となった。
この結果、内需の寄与度はプラス0.2%だった。前期のプラス0.7%より小さいものの、4期連続でプラス寄与が続いている。
一方、外需の寄与度は0.2%のマイナス。マイナス幅は前期からやや縮小したが、2四半期連続のマイナスだった。
輸出は前期比マイナス0.7%。輸出にカウントされる訪日外国人の国内消費などがマイナスに寄与した。輸入は同0.2%の伸びで、ゲーム機などが寄与した。
デフレーターは前年比プラス0.6%。前期比でもプラス0.2%。いずれも前期より上昇した。
西村康稔経済財政相は「海外経済の減速など外需はマイナスに寄与したものの、個人消費や設備投資、公共投資といった内需が増加し、全体として景気の緩やかな回復を示す結果」と述べた。そのうえで消費税率引き上げによる影響には十分注意し、「力強い経済対策のとりまとめに全力で取り組む」と強調した。