平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)の2020年2月期第2四半期決算(連結ベース)は、営業収益2133億円(対前期比0.6%減)、営業利益55億円(同15.1%減)、経常利益58億円(同16.2%減)、当期純利益37億円(同16.4%減)の減収2ケタ減益に沈んだ。不安定な中国事業が足かせとなるなか、下期以降の巻き返し策とは!?
国内は増収減益も、中国が減収減益
全体として、主力である小売事業で、野菜相場の変動や夏場の低温、天候不順の影響、競争激化などを受け、売上が減少した。また、全事業において、物流コストの増加、最低賃金の引上げによる人件費の増加を受け、減益となった。
連結ベースで上期約70億円の投資を行い、増収減益決算となる予定だった。だが、平和堂(中国)有限公司で市場環境の悪化による売上減少と為替変動の影響、さらには国内事業の増収が計画よりも下振れした結果、期初の公表数値に営業収益ベースで16億7000万円未達だった。
平和堂単体では、既存店売上高が対前期比0.6%減となったものの、新店効果で約24億円の増収となり、営業収益は対前期比0.3%の増収となった(期初公表値比1%減)。だが約5億円近い人件費の増加が主因となり、営業利益56億2300万円で同8.5%の減益となった。
主要連結子会社では、書籍、CD・DVDの販売や、CD・DVD、コミックのレンタル業を展開するダイレクト・ショップが、レンタル事業で厳しい状況が続き、減収経常赤字となった。ただ、同社の新規事業であるエニタイムフィットネス事業が計画通り推移しており、今期10店舗体制となる予定。既存店舗6店中4店舗が損益分岐会員数の500人を超えていることから、各新店は数年後に黒字化する見通しを立てている。
設備投資を進め、増収への足掛かりに
平和堂は、足元の事業環境が厳しさを増すなか、将来を見据えた投資を進めている。投資状況としては、上期は連結で69億5300万円と前年同期よりも約19億円増加した。内訳としては、ITや改装・新店への投資に加え、富山地区最大のショッピングセンターをめざす「ファボーレ」の増床、10月から稼働する京都府久御山のプロセスセンターの開設といった設備投資が大きい。上期の業績を受け、下期の投資金額を154億2500万円に見直し、通期で223億7800万円の投資を見込んでいる。
下期の見通しについて、消費増税・キャッシュレス5%ポイント還元による影響や最低賃金の引上げなど先行きが不透明ななか、新店のオープンや、久御山センター稼働による人手不足対策、多賀センターでの店内加工の代替などを通じ、通期の連結業績では営業収益4400億円(対前期比0.5%増)、営業利益120億円(同11.6%減)の微増収2ケタ営業減益を計画している。一連の大型設備投資を、売上拡大の足掛かりにしたい考えだ。