delyがクラシルに社名変更!背景にある「クラシルブランド」急成長の理由

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

「レシチャレ」実施でバスケット単価が上昇

 この「レシチャレ」の販促効果は、販売を担う小売にも好影響をもたらしている。クラシルによれば、同社が25年6月からキッコーマン食品(東京都/中野祥三郎社長)と実施した店頭販促のキャンペーンにおいて、食品スーパー・総合スーパーにおけるバスケット単価を最大113.9%まで向上させる効果を実証したという。同キャンペーンは、対象のキッコーマン商品を購入し、レシートをアップロードすると10円分のポイント還元。さらに、対象レシピ10種のいずれかを調理し、写真を投稿することで50円分のポイントが追加で還元されるというものだった。

 バスケット単価上昇の要因について、同社は「クラシル」によるレシピ提案が起点となっていることを強調する。レシピ動画プラットフォームである「クラシル」のノウハウを活用することで、単品訴求ではなく、レシピ提案を起点とした主菜・副菜・調味料など周辺商品の提案もできるため、デジタル上でクロスMDが成功しているという。また、購入時点でその後の「調理」までイメージしてもらえることも、周辺商品の購入につながっているという。

 現在、「クラシルリワード」には大手食品・飲料メーカーの大半が参画しており、食品・飲食のナショナルブランドカバー率は90%だという。また、全国小売提携店舗数も約3万店舗に広がっており、メーカー・小売双方から支持を高めている。

 「クラシル」サービス開始以降、同社が約10年にわたって築いてきた食品・飲料メーカー、小売企業との関係性が「クラシルリワード」の基盤となっている。

「レシチャレ」の画面では、対象商品とその商品購入時の還元ポイントが表示されている(左)。溜めたポイントは各種共通ポイントなどに交換できる(右)

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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