機会ロスも!コインロック式ショッピングカートは本当に店にメリットをもたらしているのか?

千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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Mattin Ott/istock
Mattin Ott/istock

利用者が所定の位置に戻す
コインロック式ショッピングカート

 コインロック式のショッピングカートを初めて見たのは、ダイエーのハイパーマートだったと記憶している。1990年代前半のことだ。

  カート同士をキーで連結させ、接続部分に100円玉を挿入すると解錠するというもの。所定のスペースでカート同士を再度連結させると100円玉が戻る、という仕組みだ。

それまで、小売業にとって、ショッピングカートのマネジメントは重労働のひとつだった。

広い駐車場のあちこちに、使い捨てられ散乱しているカートをひとつひとつ丁寧に集め、また店内に整然と戻さなければいけなかったからだ。

ダイエーが新しく導入したカートは、使い終わったら、利用者が所定のスペースに戻すので、回収業務はなくなり、コストを削減することができる。

さすが進取の気質を持つダイエー、といたく感心したものだ。

  人手不足も手伝って、コインロック式のショッピングカートを導入、活用している企業はいまなお少なくない。

ただ、私の自宅の周囲の店舗には、あいにくコインロック式のカートがなかったので、お客の立場から見た善し悪しについては、その後取り立てて、検討することなく、時間が経過した。

  ところが、1年ほど前に近くに開業した食品スーパーにコインロック式のカートを見つけたのである。

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記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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