カスハラ、モンスター客から従業員と店舗の評判も守る!具体的な方法とトーク例

西尾 晋(エス・ピー・ネットワークエス・ピー・ネットワーク執行役員・総合研究部担当/主席研究員)
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<ポイント3> 対応打ち切りや事件化に踏み切る時間や基準を決める

 さて、カスハラなどへの対応でもう一つ困るケースが、いつまでもゴネて店側の時間を消耗させる行為への対応であろう。このようなケースへの対応についても、簡単に触れておきたい。

例2) いつまでもゴネて、時間を消耗するケースへの対応 *1

自分の要求をのませるために、延々と対応を引き延ばそうとしている場合

1.まずは、必要な説明や対応などの、基本的なCS対応を行う(方針・事実・謝罪・意見として聞く)
2.対応打ち切りの目安
 「CS対応終了後に30分以上ゴネている」、または「同じ話(要求)が3回目」
3.それでも引き下がらない場合は、対応打ち切り
 例1:「申し訳ありませんが、何度おっしゃられても当社の対応・方針は変わりません。ほかのお客様への対応もありますので、これで対応を終了させていただきます。お引き取りください。」
 例2:「いずれにいたしましても、これ以上お話しても、本日、当社の対応も変わりませんので、同様のお話をされるのであれば、これ以上の回答・対応を控えさせていただきます。お引き取りください。」

 この場合も前項で解説したロジックと同様である。一定の時間や基準を決めて、その基準を満たした時点で、「お断りのトーク」を行い、「お引き取りください」と伝えることだ。

 基準については、「通常のお客さま対応として必要な対応を行った、つまり企業として対応可能な説明・対応はすべて行ったにも関わらず、その後30分以上、ゴネている」または、「同じ話が繰り返しされており、すでに3回目」という基準を筆者はおすすめしている。時間をもう少し短くしてもいいが、「企業としてやれることはやったがしつこくゴネているという」という既成事実をつくるのが重要であるため、相応の時間経過は担保すべきであることを念頭に置いていただきたい。

 大切なのは、「企業として必要な説明・対応とできるだけの誠意ある対応を行ったが、これ以上の対応はできない旨をお伝えしているのに延々と居座り、営業にも支障が出ている」という既成事実をつくっていくことである。

 その上で、例2の3のようなトークを使い、退店・退去を促す。それでも帰らずにゴネ続けるなら、先に説明したイエローカード→レッドカードの流れのように、業務妨害や不退去などで事件化しやすくなる。

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