競争激化時代、結果を出せる店長がしているたった2つのこととは

成田直人

顧客に感動与える行動を、従業員が取るようになる!スゴいコミュニケーション手法!

    maroke/istock
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     いまから紹介する手法が組織に浸透すると、従業員が顧客に感動を与える行動を自らとるようになります。これは「3S」と呼ぶシンプルですが、非常に有効な手法です。

     具体的には、①承認、②尊重、③賞賛の3つです。「なんだ、そんなことか」と言う店長は少なくないですが、正しいやり方を知っている人、効果的にできている人はほぼいません。1つひとつ解説していきますね。

    ①「感謝の気持ち」を言葉で示す「承認」

     承認とは、してくれたことに対する感謝の気持ちを言葉で示すことです。

     具体的には、従業員の仕事ぶりを見て「ありがとう」ということ。そして、従業員同士でも助け合ったことは「ありがとう」と何度言われても嬉しい言葉を掛け合う文化をつくることです。

     「これくらいして当たり前だよ」と無言で店内をすれ違ったり、褒めないというのは論外。従業員は自分の仕事に価値を感じることができず、孤独感を感じてしまうから、離職につながりやすいです。一方、自分の行動が認められれば、従業員はやる気が出て、自ら考えるようになってくれます。

    ②働きぶりを目視してほめる「尊重」

     2つ目は尊重で、管理者(店長などの社員)と従業員(パート)とのコミュニケーション技法です。

    「尊重」というとどんなことをしたらよいのかと思うかもしれませんが、難しいことではありません。尊重を示す主なタイミングは、「出勤時」と「退勤時」の声の掛け合いの時間。管理者は必ず顔を合わせて笑顔ではきはきと「おはよう!今日もよろしくね、元気よくいこう!」と伝えるようにしてください。パソコンやスマホをいじりながら、顔もろくにみずに「おはよう」というのはサイアク。管理者に元気がなかったり、挨拶がおざなりだと、従業員の態度も怠惰なものになっていきます。

     なによりも管理者が従業員の働きぶりをしっかりと目視してほめることで、従業員の自己肯定感が高まるのです。

    ③惜しむことなく心からの感謝を行う「賞賛」

     最後は「賞賛」です。店舗には売上目標があり、売場ごとにも予算があります。売場予算を達成できた場合、主任をはじめとした管理者に「おめでとう」と言うだけではなく、管理者だけでなく従業員にも「1カ月間お疲れ様でした!ありがとう!本当に素晴らしい働きぶりでした!」と惜しまずに賞賛することが大切です。

     その際、「他責思考」の店長だと、賞賛もやらされ仕事になりがち。心がこもっていないので従業員の心に響かないのです。一方「自責思考」の店長だと「本当に従業員のがんばりで改善できた、達成できた!」と心の底から思っているので、従業員にその気持ちが届き、さらなるやる気につながるのです。

     僕はこれまで、家電やホームセンター、スーパーマーケットなど大型店舗の月末月初の朝終礼に多く参加してきましたが、パートさんまで巻き込んだ賞賛シーンを見ることは極めて稀でした。全従業員が目標を「自分ごと化」する意味でも、賞賛はとても大切です。ぜひ取り組んでみてください。

     次週は、結果を出す組織をつくるための「習慣形成」について話をします。今日、説明したマインドセットとコミュニケーション技法を組み合わせると、自律的に結果を出す組織をつくることができます。お楽しみに!

     

     以上、今回解説したのは2つのノウハウだけですが、実はお客さま、従業員に熱烈に支持され、売上、利益という圧倒的な結果を出す方法を体系的に会得する方法があります。僕の新刊「勝手に売れ続ける最高のセールス」を読むと、成果を上げる理想の店長、理想の店長たちを部下に持つ強力な組織をつくることができますので、ぜひご覧ください。

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