横浜・鶴見のブラジル系食品スーパー「マハロ」 外国籍住民から熱烈な支持を集める理由とは

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

ECサイト利用の7割がブラジル人

マハロのInstagramアカウントの投稿

 マハロが外国人住民から広く支持を集める理由は、こうした品揃えの豊富さだけではない。同店がもう1つ注力するのが、SNSを通じた情報発信だ。InstagramFacebookなどを通じて配信する動画では、店舗スタッフがブラジルの公用語であるポルトガル語で食品から雑貨まで多岐にわたる商品を紹介。視聴をきっかけに来店するお客も多く、マハロの認知拡大と集客に寄与している。

 マハロでは全国の顧客に向けた販売チャネルとしてECサイトの運営にも力を入れている。ECサイトは2210月に開設され、現在では利用者の約7割をブラジル人顧客が占めている。商業部門担当者は「今後は日本人向けの販促を強化し、ホームページのリニューアルを進めていきたい」と語る。

マハロのECサイト

 店舗の品揃えからECサイト運営、SNSでの情報発信に至るまで、マハロは多様な文化や嗜好にきめ細かく対応している。こうした取り組みにより、同店は増加する外国人居住者にとって欠かせない生活インフラとなりつつある。

 多文化が交錯する鶴見という地域で、「ブラジル人向けの店」という枠を超え、多国籍な住民のニーズに応える店舗運営を実現している点こそが、マハロが支持を集める理由なのである。

1 2 3

記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態