ロイヤルホームセンターの都市部を攻略するフォーマット、地域MD強化で差別化

ダイヤモンド・ホームセンター編集部
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PB開発で大手と差別化

 流通構造が大きく変わり始めているプロ市場を開拓しようと同業他社の参入が続き、競争が激化するなか、ロイヤルホームセンターが差別化の武器として活用するのがプライベートブランド(PB)である。

 「WAGENYA(和玄屋)」はその1つだ。動きやすさと着心地、デザイン性を追求した作業衣料のPBで、幅広い年齢層から支持を獲得する。近年は機能性を備えるアイテムも増えており、プロからの期待度も高まっている。

 工具ではPB「漆黒」の開発に注力してきた。価格訴求型ではなく、職人が仕事で使うことを前提とし、ナショナルブランド商品にも遜色ない品質をめざして開発している。

「WAGENYA(和玄屋)」と工具「漆黒」
PB開発は作業衣料「WAGENYA(和玄屋)」と工具「漆黒」の2つに特化させる

 さらに同社の強みとなるのは、19年10月に子会社化したワールドツール(埼玉県/中島勉社長)との連携だ。ワールドツールは自動車整備向けを中心とする工具のSPA(製造小売)企業で、「アストロプロダクツ」を展開する。アストロプロダクツの商品をコーナー化してロイヤルプロで取り扱うだけでなく、共同で独自商品の開発も進めている。

 このほかロイヤルホームセンターが検討する施策で特筆すべきは、「建築以外」の分野にフォーカスした新しいフォーマットの開発である。

 現在、新たなチャレンジとしてビルのメンテナンスに使用する各種商品を集めた売場づくりを実験的に行っているという。掃除道具や業務用洗剤はじめ、その業界で使われる専用商品を集めた品揃えで利用客の反応を探っているところだ。

 「街を歩けば、飲食店、美容室、車屋、物流倉庫などプロが働く業界は無数にある。それらに着目し、特化した専門フォーマットをつくりたい。ワンストップで商品を買えるようにすれば需要があるのではないか」(森本取締役)。

 ロイヤルホームセンターが中長期的な目標とするのは「2030年に売上高2000億円」という経営数値だ。これに対し、ロイヤルプロの成功が目標達成を占う重要なカギとなるのは言うまでもない。

 

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