沖縄の名物スーパー「ジミー」、アメリカ×地産地消の独自戦略とは
時代に適応、地域に配慮する味作りへ
創業時からの店の味を守りながらも時代には対応していく。今はSDGs(持続可能な開発目標)を考慮して、地産地消を心掛ける。
ナッツやレーズンをたっぷり使った、しっとりした食感が人気の「スーパークッキー」に、新たに沖縄県産の紅芋、黒糖を使った二つの味のクッキーを開発、この4月29日から那覇空港限定での先行販売を始めた。
キャロットケーキには沖縄・糸満産の人参を使い、チーズケーキで使用されるパイナップルの王様、「ゴールドバレル」は沖縄本島北部の東村で採れたものだ。贈答用にはならない、本来一つであるべき葉の部分が二、三に枝分かれしてしまった規格外の、これまでは畑で処理されていたパイナップルを有効活用している。SDGs実践のこだわりからだ。
沖縄産の材料を使うこだわりの背景にはコロナ禍の影響で観光客が来なくなり、深刻な経済的ダメージを受けた沖縄県の事情もある。
コロナウィルス感染拡大の影響で物流が遮断され、観光客も来なくなった。作物を売ることができない農家は厳しい状況下におかれた。
こうした農家の苦境を少しでも救おうと稲嶺社長は努めて、沖縄産の農作物を使う。
「ジミー」自身もコロナウィルス感染拡大時、スーパーマーケット、ベーカリー部門は客足も絶えることがなかったので、ダメージを最小限に抑えることができたが、大山、那覇、美里などの大型店に併設されたレストランの客足は大幅に減った。