ブランドリユースのコメ兵、1年で80店舗の強気出店の理由とは?
右肩上がりに拡大するリユース市場
石原社長は、リユース市場は今後も拡大すると語る。コメ兵ホールディングスが公表している「リユース市場データブック2022」(リサイクル通信推計)によると、21年のリユースの市場規模は2兆6988億円に達し、22年は3兆円を超えると見込んでいる。リユース市場が今後も成長を続ける背景には、3つの要素があると石原社長は話す。
1つめの要素が、リユース商品の利用者が増加している点だ。メルカリ(東京都/山田進太郎社長)などのフリマアプリが台頭した影響で、中古品の売買が一般的になった。昨今では物価高で生活防衛意識が高まり、中古品需要が高まっている。石原社長はこうした背景を鑑み、リユース市場にはまだ伸びしろがあるとしている。
2つめの要素が、国内に約44兆円あるとされる「隠れ資産」のうち約7%しか流通していない点だ。ニッセイ基礎研究所が定義する「隠れ資産」とは、「1年以上使用せず、理由なく家庭内に保管している服飾雑貨や書籍・CD・ゲーム、美容・健康用品、ホビー・レジャー用品、家電・家具、雑貨」を指す。コメ兵ホールディングスは国内に眠る「隠れ資産」をより多く循環させることをめざす。
3つめの要素が、リユース市場は二次流通にとどまらず、三~四次流通と循環できる点だ。そのためコメ兵ホールディングスは鑑定士の教育に力を入れるほか、20年には商品の真贋を判定できるAIを導入し、安全・安心な取引ができる体制を整えている。
最後に石原社長は「どのように中古品を流通させていくかを第一に考え、当社の事業が中古品の中継点としての役割を果たしたい」と思いを述べる。