オンラインスタイリングサービス「DROBE」が“ファッション迷子”から好評の理由
トレンドを抑えながらトレンドを押し付けない商品提案
このようにDROBEでは、AIとスタイリストを併用することでターゲット層のお客に対して有効なアプローチをしている。AIによって無数にある商品から網羅性の高い提案をするとともに、スタイリストが個々のお客の感性やコンプレックスを汲み取った提案をするというわけだ。
スタイリストの役割はそれだけではない。商品のチョイスを無難にさせすぎないための調整として、スタイリストはあえて5品のうち1品だけ「お客が普段は選ばなさそうな商品」を入れる。そうした“チャレンジ商品”の提案も混ぜることでお客に新鮮味を与えるという。このような工夫も同サービスが支持を集める理由の1つになっている。
そもそもDROBEのようなサービスがお客に受け入れやすくなったのには、SNSによるトレンドの多様化など昨今のファッション業界の変化によってお客の服選びが難しくなったという背景がある。DROBEが調査した統計データによると、「おしゃれが好きだが、服選びに自信がない女性」の割合は、女性全体の7割にもおよぶという。
ちなみにDROBEでは、お客のAIデータを活用して企画・製造したトップスやボトムスなどの自社商品も展開している。だが、そうした自社商品をお客に向けて積極的に提案するつもりはないという。DROBEとしては自社商品の売上を伸ばすよりも、サービスの継続率を伸ばすことが重要だからだ。
現在、DROBEの売上高の内訳は、商品の売上手数料とスタイリング料(サービス料)が「8対2」とのことだが、将来的にはこれを「6対4」にしていきたいという。今後はスタイリスト指名制などの制度を検討するなど、さらなるニーズへの対応とサービスのクオリティ向上を図る。さらに将来的には、B2B事業の展開も検討するとしており、DROBEのシステムを生かし、大手ファッション企業との協業を進めていく予定だ。