10月も気温高めで秋の深まりはゆっくり? 2021年10月の天候予測と注目カテゴリを総まとめ!
この連載では毎月、気象庁の発表する3か月予報の中で“最も未来”(3か月目)の予報をベースに、ウェザーMDの実践方法を紹介していきます。今回は、気象庁2021年7月21日発表の3か月予報をベースにした、2021年10月のウェザーMDのポイントを解説します。流通小売企業に関わる皆さまの、計画立案の参考になれば幸いです。
2020年10月の天候
まず、2020年10月の天候を振り返ります(図表①参照)。2020年10月は、例年に比べて日本列島上空への寒気の流れ込みが弱く、また南からの暖気が入りやすかったため、気温が平年より高めの日が多くなりました。ただし例年であればこの時期、日本のはるか南海上まで南下し、日本列島の天候に与える影響が小さいはずの秋雨前線が、日本のすぐ南海上に停滞することが多くありました。秋雨前線に向けて吹く冷たい北風と日差しの少なさの影響で気温が平年を大幅に下回ることが何度かあり、月間で見ると東日本~西日本の気温はほぼ平年並の水準でした。
降水量は、太平洋側の四国~関東で多くなりました。原因は、8日から11日頃にかけて日本の南海上に接近した台風14号です。日本に上陸はしませんでしたが、陸地にかなり近いところまで北上し、その後太平洋の沿岸付近をなぞるように東北東へ進みました。台風がすぐ近くを通過した伊豆諸島南部の一部では記録的な大雨となり、一時大雨特別警報が発表されるなど各地で大雨となりました。
月の後半は、この時期らしく西高東低の冬型の気圧配置となって上空に小規模な寒気が流れ込むことがありました。北日本では平年よりやや遅めの初霜、初氷、山での初冠雪の便りが続々と届きました。ただ、初雪の便りは10月中にはありませんでした。北海道の平野部では早い年は10月中に初雪を観測することがありますが、2020年はそれらの地方の初雪は11月にずれ込みました。また、23日には近畿地方で観測史上最も早く(タイ記録)木枯らし1号が吹きました。
2020年10月の、特筆すべき天気に関する出来事は図表②のとおりです。
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