オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は7月15日、東京都立川市に「オーケー立川若葉町店」(以下、立川若葉町店)をオープンした。出店したのは、店舗から東へ約400mという至近で有力スーパー「ヤオコー」が営業する激戦区だ。こうした立地でオーケーはどのような店づくりを行っているのか、レポートする。
マルエツが撤退跡に出店
オーケーでは珍しいSC内店舗
立川若葉町店がオープンしたのは、JR各線「立川」駅から北東約3.2km。オーケーの店舗の中では珍しく、ショッピングセンター(SC)の核店舗として入居する。売場面積は約1800㎡で同社のなかでも比較的大型のサイズの店舗だ。21年1月にマルエツ(東京都/古瀬良多社長)が退店した場所に出店している。
マルエツが撤退した大きな要因と考えられるのが、店舗から東へ約400mで営業するヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)の「ヤオコー立川若葉町店」の存在だ。
ヤオコーと言えば首都圏屈指の有力スーパーで、食提案型の店づくりを特徴とする。至近に同社店舗があり、かつ通常より広域集客が見込まれるショッピングセンター内へ出店する状況下でオーケーはいかに戦うのか。
オーケー取締役生鮮本部長の佐藤幹司氏は「競合店が近くにあっても基本的に店づくりは変えない。徹底した標準化で全体ボリュームを増やし低価格を実現することに重きを置いている」と話す。こうした考えから部門別売上高構成比の設定も既存店と変わらないという。
容器は基本的に3種類のみ!?
「高品質・低価格」のための工夫
では、各部門ではどのような売場づくりを行っているのか。なかでも至近の競合店であるヤオコーが強みとする総菜部門について取材した。すると、ここでもヤオコーを意識して売場づくりや品揃えを変えることはしていなかった。総菜・寿司部部長の田中邦明氏は「さまざま工夫によって実現している、オーケーの高品質ながら低価格な商品で、お客さまの支持を獲得していきたい」と話す。
高品質・低価格を実現するべく行っている具体的な試みの例をあげると、まず、資材の統一化によるコストカットがある。たとえば総菜の容器については、全体の8割ほどの商品は、使用する容器を全3種類で揃えている。そうすることで1つの容器を大量に仕入れてコスト削減を図っている。
また1つの素材を複数商品に活用している点も特徴だ。
具体的には「国産ジャンボチキンカツ」や「国産チキンカツタルタル丼」のカツに使用している鶏肉を、「バンバンジーサラダ」のトッピングのチキンにも活用する。1つの素材を大量仕入れすることによって低価格を実現する工夫だ。
田中氏は「鶏肉ならさまざまな部位をできる限り余さないように、細やかな商品構成、設計を行えているのもオーケーの強み」と説明する。
生鮮の総菜化を本格的に推進!
今後、オーケーの総菜部門がめざすのは、生鮮部門と連携した商品の開発だ。
すでに、中国産うなぎの「うな重」や、カナダ産三元豚を使った「ロースかつ重」など生鮮部門と同じ素材を使用した商品を販売しているが、こうした商品を拡充していく。
とくに近年開発に注力してきた、オーケーの質の高い生鮮素材を生かすことで、商品の付加価値を高めるという。
このようにオーケーは同社で掲げる「高品質・Everyday Low Price」に磨きをかけることで、激化する店舗間競争を勝ち抜いていく方針だ。
「オーケー立川若葉町店」店舗概要
所在地 東京都立川市若葉町1-7-1 若葉ケヤキモール 1階
営業時間 8:30~21:30 当面の間 閉店時間を21:00に変更(30分短縮)
売場面積 1807.18㎡