大木ヘルスケアホールディングス代表取締役会長 兼 社長 松井秀夫
次代を見据え需要創造型の中間流通業をめざす!
──店舗支援とは、その店に合った棚割提案ということですか。
松井 そのとおりです。また、地域密着型の個店経営を行う薬局・薬店に対しては、効率的な経営ができるようにトータルにサポートします。個店というのは、お客さまとの距離が近い分、的確な商品の仕入れができる反面、買い上げ点数が少ないことから、管理システムを導入することはコストがかかり、経営を圧迫しかねせん。そこで当社では、受発注や情報入手を支援する携帯端末を無料で貸与し、フォローしています。
──店舗支援のほかに、どんな協業がありますか。
松井 幅広いニーズに応えた商品開発です。消費者に近い立場で抽出したニーズと市場動向を総合的に分析しながら、商品企画の提案を行い、その企業や店舗にふさわしいプライベートブランド(PB)やストアブランド(SB)を開発・生産します。約40社の生産工場と取り組み、資材調達を含め、小ロットから大ロットまで柔軟に対応できるのが当社です。また、プランニングからマーチャンダイジングまでワンストップで行える強みを生かして、SPA(製造小売化)戦略にも寄与します。
今後、ヘルス&ビューティーケア市場に新規参入したいと考えるメーカーの方には、ぜひお声をかけていただきたいですね。全面的にバックアップします。また、商品には絶対的な自信があるものの、新しいマーケットにチャレンジするノウハウがない場合も、消費者が求める商品になるようにフォローしていきます。
たとえば、大塚食品(大阪府/戸部貞信社長)はチアシードビスケット「しぜん食感 CHiA」シリーズをドラッグストア(DgS)で展開したいと考え、当社に依頼されました。
当初、1食あたりの量が軽食にしては少なく、価格は約150円に設定されていました。パートナーとなって一緒に検討した結果、サラダと一緒に食事としても使えるようボリュームを増やし、価格を130円台に値下げしたところ、一気に売上が伸びました。
また、当社との取り組みで、ネスレヘルスサイエンス(兵庫県/中島昭広カンパニープレジデント)がワンショットサプリメント飲料「BOOST」(ブースト)で、一般向け栄養補助食品市場に新しい剤形で新規参入します。大手メーカーと、ドラッグストアを中心とした一般小売向けの商品企画開発、テストマーケティング、ブランド育成をしていく条件も徐々に増えています。
──きめ細やかな対応ですね。
松井 当社にとってメーカーや小売業はパートナーです。メーカーと小売業の間に立ち、消費者の潜在ニーズを一緒に掘り起こしていく。そして、それを商品やサービスというかたちにすることで、消費者の皆様に満足していただく。それこそが当社のめざすビジネスモデルです。ベースにあるのは、当社が単に利益を追求するだけでなく、社会貢献のための“器”であるという考え方にあります。
利益追求と社会貢献を両立するという当社の経営理念をご理解いただいたうえで、これからも多くのメーカーや小売業の方々とパートナーの関係を築いていきたいと思います。