写真で見る! イオンリテール初のスマートストア 「イオンスタイル川口」

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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購買前の行動を
「ヒートマップ」で可視化

 このAIカメラ導入によって可能になるのが、来店客が商品を購入する前の行動の把握だ。

 来店客の買物動線や各売場での立ち寄り時間、お客が手を伸ばした商品棚などの情報を集積し、利用率に応じて「ヒートマップ」状に色分けして可視化する。これにより「売場への立ち寄り率が高い・低い」「商品を手にとられている・いない」がわかり、購買されていない商品の要因を分析できるようにしている。

AIカメラで収集したデータを使い、利用率に応じて「ヒートマップ」状に売場を色分けして可視化する。これを売場づくり・改善に生かす
AIカメラで収集したデータを使い、利用率に応じて「ヒートマップ」状に売場を色分けして可視化する。これを売場づくり・改善に生かす
「ヒートマップ」では棚ごとの利用率もわかる
「ヒートマップ」では棚ごとの利用率もわかる

接客が必要な来店客を
AIカメラが感知

 接客向上にも活用する。なかでも、ベビーカーやランドセルなど商品の説明がとくに必要とされるカテゴリーの売場においては、AIカメラが「売場での滞在時間」から接客が必要そうな来店客を感知し、従業員が携帯するスマホに通知する試みを行っている。これにより、従業員がつねに売場に滞在せずとも、必要な時にだけ接客できるようになるため、省力化と販売機会ロスの低減が可能になる。

3階の衣料品、キッズ用品売場にはAIカメラを全30台設置。接客が必要そうな来店客を感知し、従業員が対応できるようにしている
3階の衣料品、キッズ用品売場にはAIカメラを全30台設置。接客が必要そうな来店客を感知し、従業員が対応できるようにしている
従業員のスマホに通知が届き、接客が必要な時に売場に向かえるようにしている
従業員のスマホに通知が届き、接客が必要な時に売場に向かえるようにしている

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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