ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営17 ポストコロナのSCプロモーション戦略とは
SC運営におけるプロモーションの活動領域と影響範囲
SCはリアル産業のため顧客が来店(来場)しないと始まらない。したがって、顧客がSCへ来るまでの行動すべてがSCのプロモーション活動領域となり、その活動すべてに対し効果的に影響を及ぼさなければならない。
SCプロモーションは、顧客にSCを認知していただき、理解していただき、顧客の大切な時間を使って出かけていただき、滞在して買い物や飲食を楽しみ、満足と共に帰路に着き、リピートする。そして、各段階の認知や経験を口コミやSNSでの共有(シェア)を促す。
この一連の活動をコントロールすることがSCプロモーションの活動領域であり影響範囲である(図表2)。
6段階をコントロールするSCプロモーション
このように顧客の行動が、「知ってもらう」「理解してもらう」「来てもらう」「買ってもらう」「また来てもらう」、そして「シェア」、これらの促進がSCプロモーションの役割と考えればその活動は自ずと決定する。
どの段階を伸ばしたいのか、どこのセグメントが今課題なのか、顧客の期待はどこにあるのか、こういったことを明確にしないまま販促活動を行っているのであれば残念ながらその活動の効果は望めないだろう。
では、SCプロモーションとは、何をどう実行していくのか。そしてポストコロナ、デジタル社会における効果的効率的なSCプロモーション活動はいかにあるべきか次号では、SCプロモーションの構造を解明するところから始めたいと思う。
西山貴仁
株式会社SC&パートナーズ 代表取締役
東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。
ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営 の新着記事
-
2024/12/19
第104回 多様性の時代、接客ロープレに求められる意義とは -
2024/12/03
第103回 マーケティング2.0へ!SCは「神社の参道商売」と同じである理由 -
2024/11/18
第102回 SCのマーケティングは「マスマーケティング」である理由 -
2024/10/31
第101回 今年の新入社員の30年後は「全員管理職」?人口減時代のビジネスとは -
2024/10/17
第100回 30年後、社会と商業はどうなっているのか? -
2024/09/27
第99回 「顧客を把握できる」ECに対し、リアル小売が取るべき3つの戦略とは
この連載の一覧はこちら [104記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-10ワールドが三菱商事ファッション買収!進むアパレル垂直統合、2つの課題とは
- 2024-11-26イタリア繊維産業に学ぶ、高くても売れるビジネスの秘密とは 染めと売り方が段違い
- 2024-12-12「オーケー」後の関西 イオンリテールがねらう都市型SCそよらで脱同質化
- 2024-12-03ユニクロ柳井会長がウイグル綿花不使用発言に至った理由と影響、その複雑な背景とは
- 2021-11-23ついに最終章!ユニクロのプレミアムブランド「+J」とは結局何だったのか?
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2023-08-08EC時代にスクロールとベルーナだけ好調 生き残るカタログ通販、死ぬカタログ通販
- 2024-11-19ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果
- 2024-12-17あなたはいくつ備える?AI時代に生き残るビジネスパーソン3つの条件とは
- 2024-09-03アローズにビームス…セレクトショップの未来とめざすべき新ビジネスとは