西友の新PB戦略 NBベンチマーク型から独自の価値持つブランドへ飛躍できる理由!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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グロサリーのPB比率20%以上めざす

 現在西友は、「ローカル・バリュー・リテーラー」というビジョンを実現するべく策定した中期事業計画「スパーク 2022」を実行中だ。「ローカル・バリュー・リテーラー」になるために、西友では大きく以下の4つの価値提供を進める。「毎日のお買い物を一番安く」「うれしい、おいしいお惣菜」 「新鮮な生鮮食品」、そして「快適な買い物体験」である。

西友商品本部食品・住居・衣料品部バイス・プレジデントの木下数基氏
西友商品本部食品・住居・衣料品部バイス・プレジデントの木下数基氏

 その考えのもと、「毎日のお買い物を一番安く」を実現するための施策の1つとして、PBを位置付けている。西友のPBは、消費者テストに合格した製品だけを商品化した「みなさまのお墨付き」とベーシックな商品に特化した「きほんのき」の2種類。「今後は品質の高い商品をエブリデー・ロープライス(EDLP)で提供できる主力の『みなさまのお墨付き』をいっそう強化していく」と商品本部食品・住居・衣料品部バイス・プレジデントの木下数基氏は語る。

 基本的には、2020年以降連続で2割ずつグロサリーにおけるPB売上高を伸ばしていきながら2022年までにグロサリーのPB構成比を20%以上に高めたい考えだ。

合格基準を一気に引き上げる

 その「みなさまのお墨付き」の合格基準を、西友では昨年、70%から80%へと引き上げた。その理由について木下氏は「PBの売上が数年、横ばいだった」ことを挙げる。「品質に対するお客さまの評価を突き抜けたものにすることで売上を大きく伸ばせると考えた」と語る。

 消費者の支持率を10ポイント挙げるのは、簡単なことではない。不合格になる商品も増えるだろう。それでも、改良を繰り返しながら再度消費者テストを受けることで、商品化を実現しているという。その一例がインスタントの豚汁。当初は65.1%の支持しか得られなかったが、「具材が少ないという消費者からの不満を聞き、具材を60%以上増やした結果、96.4%の支持を獲得するに至った」(マーケティング部ブランド担当マネジャーの本間哲太郎氏)。

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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