会見速報!セブン&アイ、米セブン通じて、コンビニ3位Speedway買収

2020/08/03 08:33
    阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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    セブン&アイ・ホールディングス(東京都)は8月3日、米国子会社セブン-イレブン・インクを通じて、米国コンビニエンスストア第3位のSpeedway(スピードウェイ)を買収した。8月3日9時より行われた会見内容をベースに、記事をまとめた。

    写真はミシガン州にあるセブン-イレブン(RiverNorthPhotography / istock)
    写真はミシガン州にあるセブン-イレブン(RiverNorthPhotography / istock)

     これまで国内コンビニ事業であるセブン-イレブン・ジャパンの業績依存度が高かったセブン&アイだが、ここにきて同社は出店数を大幅に絞り込む戦略に転換しており、これまでのような高い成長が継続されるかは不透明になってきた。そうしたなか米セブン-イレブンは、デジタル変革を積極的に押し進めるなどして業績を急速に改善、グループの業績を牽引する一翼にまで成長している。

     実際セブン&アイは、成長の原動力として、国内外のコンビニ事業を位置付けており、中でも米国セブン-イレブンを、「グループを牽引する最も重要な成長ドライバーとして捉えている」(井阪隆一社長)。

     米セブン-イレブンは、アメリカとカナダで約9800店舗を展開する米国最大のコンビニ企業で、日本を除く世界のセブン-イレブン商標を保有しており、世界で7万1000店舗を展開している。

     米セブン-イレブンのチェーン全店売上高は直近の19年12月期で3兆9362億円(対前期比1.4%減)、営業総収入は2兆7398億円(同2.9%減)ながら、営業利益は1216億円で同9.5%の増益となっている。セブン&アイの20年2月期連結営業利益が4242億円だったので、米セブン-イレブンの業績貢献度の高さがわかる。

     米国におけるコンビニ市場は、上位3社のシェアが9割を占める日本とは違い、15万3000店(19年12月末)のうち65%以上が個人経営を含む10店舗以下のオペレーターで、約8割がガソリンスタンド併設型である。「上位10社のシェア率は2割未満で、非常に細分化された業界で、再編が加速されている市場だ」(井阪社長)。

     そうした中、米国セブン-イレブンは成長戦略として、「M&Aを通じた規模拡大」を進めている。そのため2006以降42件のM&Aを行っており、合計3362店舗を取得している。06年〜18年の36件のM&A実績として、初期投資額(71億ドル)から店舗資産売却等の店舗最適化(17億ドル)を除いたネット投資額(54億ドル)ベースのEBITDA(税引き前・利払い前・減価償却前・その他償却前利益)は7億ドル(40%増)、ROIC(投下資本利益率)は9.6%となっている。この実績から同社では、今回のスピードウェイ買収においても、確かな利益改善が望めることをアピールしている。

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    記事執筆者

    阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

    マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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