不二家が仕掛ける”レトロ企画”ヒットの理由 平成を代表するあのブランドとのコラボも
不二家(東京都/河村宣行社長)は全国の不二家洋菓子店で「昭和100年記念 思い出のファッションケーキ」と銘打って、昭和から平成にかけて流行したスイーツとその時代のファッションを思い起こさせる期間限定の企画商品をシリーズで開発し、ヒットを飛ばしている。10月には平成レトロを感じさせるあのアパレルブランドのキャラクターとタッグを組んだ企画商品を発売。不二家の歴史と伝統とSNS(交流サイト)映えするユニークな切り口が付加価値を生み出している。
約3万個が売れたヒット企画に

不二家は今年4月から2〜3カ月に1回、趣向を変えたケーキを投入している。2025年が昭和100年に当たることから、昭和30年代から平成にかけて流行したスイーツをモチーフにオリジナルケーキを販売。それぞれの時代を象徴するファッションの要素を取り入れて、懐かしく楽しい見た目になっている。
第1弾は1960年代に流行したホットケーキ(561円:以下税込)を4月25日に発売した。1962年(昭和37年)に発売し、同社のロングセラーとなった「ルック」チョコレートで当初のフレーバーだったバナナ、ストロベリー、キャラメル、コーヒーの4種類の味をクリームやトッピングに盛り込んだ。敷紙には当時流行したファッション「アイビールック」で定番のチェック柄をあしらった。(※販売終了)
店頭のPOPやSNSの公式アカウントで当時の雑誌風のデザインを打ち出したこともあって、「レトロかわいい」と話題になった。ラジオ番組でこのケーキを紹介した効果もあって若年層にも注目され、予定数量はわずか1週間で完売。すぐに追加生産した。

第2弾は6月13日に発売した。70年代に大流行したと言われているクレープでシフォン生地と苺ジャムなどを包み、上にプリンを載せた「クレープのパニエ」(583円)。敷紙には当時流行した「ヒッピースタイル」を象徴する花柄をプリントした。(※販売終了)
「いずれのケーキも全国で約3万個を販売しており、その月に発売した新商品の中でも売上トップ3に入るほど、目標を大きく超える実績を上げている。通常のスポットの商品でも1万個売れたら好評と評価される中で、本企画の商品は想定外の売れ行きだった」と洋菓子事業本部の瓜生麻未マーケティング部営業推進課課長は振り返る。





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