日本の農業を守りたい! 食品ロス削減に挑む「サステナブルジェラート」とは

2025/10/22 05:00
吉牟田 祐司

障がい者の就労支援も

フォレストバンク社長
小林亮社長

 食品ロスを削減してSDGsの達成にも貢献する。地産地消を推進して農家を救い、地域おこしに一役買う。ストーリーに共感する取引先をホテルや小売といった業界を中心に獲得し、大江戸温泉物語グループ、関西空港で売店を運営する関西エアポートオペレーションサービスのほか、全国各地の道の駅、外資系の高級ホテル、大手総合小売チェーンなど約300社から製造を委託されている。OEMでのジェラート製造に加えて、今後は自社ブランド商品の展開も加速させて拡大していく見込みという。

 現在は大阪府内で3カ所の製造拠点を直営し、208トンの農作物を仕入れているが、原料を冷凍保管できるため、6万トンを目標に掲げ、委託工場を増やしていくという。小林氏は「すでに四国で具体的な話が進んでおり、2026年3月に稼働する予定。北海道でも商談を進めている」と明かす。イメージしているのはサステナブルジェラート製造のプラットフォーム事業によるエコシステムの構築だ。

「流通できなかったら捨てる。その感覚、考え方そのものがよくないと思う。だから選択肢を提供していきたい。品質が高い日本の農作物と生産者を守り続けていくことが大事であり大前提。農協と張り合うのではなく、もう一つの選択肢として認識され、フォレストバンクを頼れば何とかしてくれる、と安心してもらえれば」(小林氏)

 さらには原料となる農作物の集荷、選別、一次加工の工程を就労継続支援事業所に依頼し、障がい者の社会参加を促すビジネスモデルを思い描いているという。画像認識やAIも活用し、腐敗の発生が見られる場合は、バイオマス燃料として電力会社に販売することも検討する。今後の取り組みにも要注目だ。

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