クスリのアオキHDが売上高5000億円、総店舗数1000店を突破!

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

今期は新たに110店舗の出店を計画

 クスリのアオキHDの青木宏憲社長は「会社設立から40周年となるタイミングで、売上高5000億円、店舗数1000店舗を達成することができた」と喜びを語ると同時に、26年5月期は「今期は目先の利益ではなく、将来の成長につながる投資を積極的に行う」と意気込む。

クスリのアオキ代表取締役社長を務める青木宏憲氏
クスリのアオキHD代表取締役社長を務める青木宏憲氏

 26年5月期の業績予想では、売上高を対前期比11.7%増の5600億円に設定して2ケタ成長を見込む一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は減益予想とした。食品の売上高構成比が上がることによる粗利益率低下に加え、店舗投資や採用強化を進めるためだ。

 ドラッグストア店舗の新規出店では、22年5月期の102店舗を超え、過去最高となる110店舗の出店を計画する。なお、これにはM&Aで獲得した店舗の業態転換も含んでいる。また、14年から展開していた450坪の大型店フォーマットを中心に、70店舗の改装も計画。新規出店に関わる総投資額は、過去最大となる432億円を見込む。

 採用については、25年5月期は過去最多となる約950人を採用した(総合職・薬剤師合わせて)。26年5月期は、前期を超えて約1080人の採用を計画する。青木氏は「コロナ以降、薬剤師の人手が減り、他社に取り負けていた。教育の面も考え、採用については前倒しで強化していかなければいけない」と積極的な構えを見せている。

 M&Aでは、25年6月2日付でミワ商店(香川県)を子会社化し、同社が展開する地場スーパー「ピカソ」5店舗を取得。これにより、同社がこれまでM&Aをした企業の合計は19社となり、19社を合計した売上規模は933億円、店舗数は134店舗となった。今期も地場スーパーのM&Aを進め、エリアに合わせた生鮮の強化、好立地物件の確保を進めていく考えだ。青木氏は「われわれ独自の成長戦略」と、このM&A戦略を表現した。

 クスリのアオキHD26年5月期を「次の50周年につながる、重要な準備期間」(青木氏)と位置づける。フード&ドラッグを推進する同社の積極的な店舗投資・規模拡大は、ドラッグストアだけでなく、小売業界全体にとっても見過ごせない動きと言えるだろう。

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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