クスリのアオキHD、1000店舗の節目で生鮮の「完全直営」に挑戦!

取材・文:上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長:以下、クスリのアオキHD)は2025年3月、千葉県市原市に「クスリのアオキ馬立店」(以下、馬立店)をオープンし、総店舗数1000店舗を達成した。

全国各地のローカル食品スーパー(SM)のM&A(合併・買収)を進め、生鮮強化型フード&ドラッグ店舗を拡大する同社。記念すべき1000店舗目として、初めて完全直営で食品を展開する馬立店の売場をレポートする。

生鮮、総菜の完全直営に初めてチャレンジ

 クスリのアオキHDは近年、積極的な出店政策により、地盤の石川県から富山県、福井県、新潟県、長野県の北信越、さらに関東、東海、近畿、東北、四国へと商勢圏を拡大している。

 それと並行して2020年頃からは、M&AでローカルSMを次々と傘下に収め、買収した店舗は「クスリのアオキ」もしくは「スーパーのアオキ」屋号に転換し、基本的にはコンセッショナリーの活用で生鮮をフルラインで導入。食品と、ドラッグストア(DgS)の医薬品、日用品を組み合わせた「フード&ドラッグ」フォーマットで成長を続けている。

クスリのアオキ馬立店外観
クスリのアオキ馬立店は、クスリのアオキとして初めて、食品をすべて直営で展開している

 クスリのアオキHDがM&AしたSMの企業数は24年12月時点で18社にまで増え、グループに加わった店舗数は18社合計で129店舗となった。そして25年3月12日、同社は馬立店をオープン。これにより、同社の店舗数は千葉県内で31店舗、総店舗数は1000店舗と4ケタチェーン化を達成した。

 今回オープンした馬立店は、クスリのアオキHDが24年8月に子会社化した木村屋が運営していたSM「スーパーガッツ」4店舗のうちの1店舗を改装した店舗だ。同店は、25年1月まで「スーパーガッツ」として営業し、改修を経て「クスリのアオキ」屋号でオープンした。

 店舗があるのは小湊鉄道「光風台」駅から南に徒歩10分の場所。周辺は高齢化が著しいエリアとなっている。

 近隣のSMの競合店としては、約500m南に「すーぱーやまだや」、約1.5km北に「しげのや光風台店」とローカルSMが点在する一方、「光風台」駅の北側は住宅街が広がり、約1.5km北に「ヤックスドラッグ光風台店」、約1.7km北に「ウエルシア市原光風台店」とDgSの競合が多い。

 旧店舗の従業員、バイヤーは引き続き店舗に残っているため、木村屋が持っていた仕入れルートを生かした品揃えは健在だ。そのため、これまでのクスリのアオキのフード&ドラッグ店舗は、コンセッショナリーを活用したかたちがメーンだったが、

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取材・文

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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