ペット関連商品業界首位のイオンペットがめざす、さらなる成長の一手とは?

大正谷 成晴 (フリーライター)
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顧客データを活用しPBSBの拡大を狙う

 商品開発や展開においては、グループ全体での最適化が重要になる。イオンペットはストアブランド(SB)の「PETEMO」を通じて、付加価値型商品の提供を中心に据えてきた。小売事業、グルーミング事業、動物病院事業の3事業を保有しており、獣医師や愛玩動物看護師、しつけトレーナー、グルーマーを直接雇用しているのが強み。こういった知見を商品開発に活かし、専門性が高くペットオーナーに寄り添った商品開発を推進したい考えだ。

 イオングループのプライベートブランド(PB)商品比率とイオンペットのSB商品比率をあわせて、オリジナル商品の売上高構成比率を5割までに将来的には高めたいという。ペット業界の専門店化が進むなか、品揃えは差別化要因となり、商品開発を加速させることは急務だ。「PETEMOブランドはトップバリュ商品とともに各カテゴリーの顧客ニーズに対応することが求められる」と新田氏は語る。

 近年のヒット商品の一例が、猫向けのおもちゃ「ネズミのしっぽロングニョロ玉」だ。よくある猫じゃらしとは異なり、不規則な動きが猫の狩猟本能をくすぐるのが特徴で、ユーザーがSNSにアップした動画が話題となった。イオンペットでは従業員の約8割が現在・過去にペットと暮らしており、こうした経験が商品開発に生かされているという。犬用の商品では布製品のおもちゃ「スリッパトイ」がヒットし、犬用おもちゃ部門で1位となった。単純に遊ぶものではなく、健康やコミュニケーションにつながるといったプラスアルファの機能を持つ商品がより求められるようになったと新田氏は分析する。

近年のヒット商品

 こうした商品開発に生かされているのが、WAON IDをはじめとする顧客データだ。イオンペットにおけるWAON会員数はのべ200万人を超えており、2025年からは顧客データに基づいたone to oneマーケティングを稼働させる予定だという。ペットとの出会いから予防接種、食事、ケアをトータルでサポートするネットワークの形成をめざす考えで、顧客軸に加え、ペット軸でアプローチしていきたいという。

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記事執筆者

大正谷 成晴 / フリーライター
資産形成・運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)など

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