九州から関西、関東へ!すかいらーく入りの「資さんうどん」急拡大の真因

2024/12/18 05:55
笹間聖子
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コロナ禍に通販、外販、テイクアウトが人気に

資さんうどん公式通販サイト
公式通販サイト

 販売方法の多様化も進んでいる。特にコロナ禍は、帰省が抑制された時期に「資さんを食べたい」という声がSNSで多く見られたこともあり、一時休止状態になっていた通信販売の仕組みを再開。やや突貫工事で「資さんストア」の名で再オープンした。そして、それを知ったスーパーマーケットなどからの依頼を受け、駅や空港、スーパーマーケットでの外販も、2021年頃本格的に営業活動をスタート。以降好調に推移し、売上高は初年度から10倍以上に成長している。メニューは、肉ごぼう天うどん、モツ鍋、冷凍のぼた餅など人気どころだ。

 一方で、飲食店の深夜営業が規制された際には、テイクアウト販売を強化。コンビニしか食の選択肢がなくなっていた医療従事者やドライバーに歓迎された。そこからUber Eatsや出前館などの宅配サービスも広まり、一気に知名度が高まったという。同時に、テイクアウト用に新たな3段式容器を開発。出汁、具、麺をコンパクトに盛り付けることで、持ち運びがしやすく、店舗の味をそのままに家庭でも楽しめるようにした。

 さらにコロナ禍には、それ以前から試験的に運用していたものの、定着していなかったオーダータッチパネルの導入も加速。現在は新店とリニューアル店舗に順次導入しており、2/3以上の店舗に設置済みだ。「便利で使いやすい」付加価値につながっている。

 加えて、売上が落ち込んだことで社員に危機感が生まれ、コストコントロールや費用対効果、提供スピード、リピーターを獲得するための工夫など、経営に対する意識も高まった。「店舗、本部ともに真剣に考えられるようになり、より強靭な組織になった。コロナの功名だろう」(佐藤氏)

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